[文スト]中島敦には、可愛い双子の妹が居ます:2[中島敦]

50:夜叉白雪と少女 ページ14

後部の車両から逃げ惑う人の中を、
押し退けながら走る私とお兄さん。

「爆弾を撤去できないと、この人達が死ぬ。
できるのか.........僕に？」

『お兄さん。心配しないで下さい。
私とお兄さんならできます』

「うん」

そこでｼｬﾝという鈴の音が聞こえた。

その音が聞こえたのと同時に、
いつか見た着物の少女が私達の横を通った。

「君！危ないよ！そっちには爆弾が＿＿」

そこまで云ったところで、
少女の携帯から声が聞こえた。

「'お前の任務は爆弾の死守だ'」

その次の瞬間、お兄さんが何かに斬られた。

『お兄さん！』

はっとして、少女を見る。

少女の後ろに居るのは、先程までは
居なかった、白い夜叉だった。

「'邪魔者は殺せ。夜叉白雪！'」

'夜叉白雪'...それがこの子の能力ですか

後ろでｾﾞｪ ｾﾞｪと荒い呼吸を
しているお兄さん。

『大丈夫ですか？お兄さん』

「うん......Aは？」

『私は平気です』

「なら良かった」

『とりあえず、傷だけ治しますね』

そう云いながら、手首を軽く切り、
流れた血を傷口に垂らす。

すると、お兄さんの傷は癒えた。

「相変わらず、その能力凄いね」

『ｱﾊﾊ)そう云うのは後です』

「うん。行くよ！」

そう云って立ち上がったお兄さんは、
いつにも無く、凛々しかった。

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