31:動揺してるのは貴方ですよ ページ32
・
・
私は国木田さんと一緒に医務室に居た。
隣のベッドでは、お兄さんが眠っている。
嫌な夢でも見ているのか、唸り声を発している。
暫くすると、いきなり目を開いた。
「ここは......」
『目が覚めましたか?お兄さん』
「A...それに国木田さん...」
「全くこの忙しい時に......」
お兄さんは体を起こした。
「僕、マフィアに襲われてそれから......」
お兄さんは何かを思い出したように布団から体を出した。
「そうだ、谷崎さんにナオミさんは?!」
「無事だ。隣で与謝野先生が治療中」
そこでギャアァアアという悲鳴が聞こえた。
治療中に出す声ではないと思いますが
「......治療中?」
「聞いたぞ小僧。双子揃って七十億の懸賞首だと?出世したな、マフィアが血眼になる訳だ」
「そうです!どどどうしよう、マフィアが探偵社に押寄せてくるかも」
お兄さんは身振り手振りで焦りを表した。
その様子とは正反対に、国木田さんはしれっと云った。
「狼狽えるな」
『マフィアは強敵ですけど、大丈夫です。私がお兄さんを守りますから』
「動揺をするな。動揺は達人をも殺す、師匠の教えだ」
お兄さんは冷たい視線を向けた。
視線の先は、逆さまの手帳。
「あの......手帳さかさまですよ」
国木田さんは何も無かったように手帳を戻した。
そしていきなり立ち上がった。
「俺は動揺などしていない!マフィア如きで取乱すか!仮令、今ここが襲撃されようと俺が倒す!」
国木田さん...焦ってるんですね
「あれをこうしてこうばしっと動きいい感じにぐっとやって倒す!」
国木田さんはビシッと手を動かしていた。
「ふん、奴らは直ぐに来るぞ。お前が招き入れた事態だ。自分で出来る事を考えておけ」
国木田さんは扉の前まで来てから云った。
「ところで、先刻から探しているんだが、眼鏡を知らんか?」
......やっぱり動揺してますね
162人がお気に入り
この作品を見ている人にオススメ
「文豪ストレイドッグス」関連の作品
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
時姫(プロフ) - 黒樹ユリ かさくん親衛隊さん» 返信が遅れてしまい、申し訳ありません。 そして、コメントありがとうございます。もしよろしければ、 リクエストの方で何かありますか? 教えていただければ嬉しいです。 (2017年8月23日 19時) (レス) id: f26110437a (このIDを非表示/違反報告)
黒樹ユリ かさくん親衛隊 - 敦君可愛いし天使!!!! (2017年7月19日 17時) (レス) id: 6e14238389 (このIDを非表示/違反報告)
時姫(プロフ) - 月雪桜さん» はい。応援ありがとうございます。 これからも頑張ります。 (2017年5月24日 16時) (レス) id: f26110437a (このIDを非表示/違反報告)
月雪桜(プロフ) - とても面白いです。これからどうなるのかが気になります。頑張って下さい^_^ (2017年5月23日 22時) (レス) id: b41419936b (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:時姫 | 作成日時:2017年5月17日 18時