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「ちゃうねん、Aが邪魔やとかそんなこと全然ないんやで！？」
『……はい、』
なんか言わせてる感がすごくてその言葉を信じきれずにいたら、先輩はそれが分かったのか「あ〜、なんて言ったらええんやろ、」と窓の外を見ながら頭を掻いたあと、ゆっくりこっちを向いてはにかんだ。
「むしろ逆でさ、Aがここ来るようになって、もっと楽しなってん。この時間」
『……楽しなったんですか？』
「うん、Aがおるからやで？ここも、Aも、全部俺の大事なもんやねん」
……なんか、それは、恥ずいな。急に全身熱い。
柔らかく笑ってまっすぐ目を見つめてくる視線に耐えかねて顔ごと逸らしたのに、先輩は不思議そうに顔を覗き込んでくる。
『あの、……ちょっと、恥ずかしいんでやめてもらえますか』
「……照れてんの？」
『っ、そうです！やからこっち見んといて！！』
って言ったのに、顔をどこに背けても追いかけてくる先輩。めっちゃによによ笑ってる。
何なんこの人！と思ってたらがしっと両頬を挟まれて、ぐいんと先輩の方を向かせられた。
『ぉわっ、暴力反対！！！』
「声でかいねん」
『すんません』
そしたら先輩はふっと笑って、その親指が頬を撫でるように掠めた、気がした。
「顔真っ赤やん」
……なんやねんこれは。どこの少女漫画や！！！！
心の中でばかみたいに叫んで、目の前の漫画ばりに甘い顔立ちをした狂犬を睨む。
『……なんで先輩はそんな恥ずかしげもなく言えるんですか』
「やって、ほんまのことやもん」
『そんなこと言い始めたらいよいよホストですよ。いよいよ聖夜様ですよ！』
「んはは、Aにだけやで？」
『やからそういうこと！！！』
ほんま、心臓に悪すぎるわ、この人。
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作者名：ぽて子 | 作成日時：2023年6月11日 22時
