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さらりとそんな言葉を落として、でも加えて何かを言うわけでもなく、真顔なのか何なのか、何とも言えん顔をしている先輩。
ん？と私はその言葉の真意を数秒考えて、一つ思いついた答えにむふふと口角が上がった。
『……もしかして、寂しかったんですか？』
「はぁ？？そんなんちゃうわ！！」
『いや、絶対そうや！！』
そしたら牙を向いた狂犬とめちゃくちゃ言い争いになって、でもその姿はなんも怖くない。
ツンデレかわいい、って心の中で思ったけど、多分これを口に出したらほんまにしばかれそうやからやめといた。
お互い体力が尽きてそれも落ち着いたころ、先輩が脇に置いておいたペットボトルを見つけた。
「あ、カルピスやん」
『ふふ、ええでしょ。これ買いに行ってたら遅くなってもうたんです』
「ええやん、羨ましいわ〜」
『あ、でもあげませんよ？』
「なんでぇなぁ〜」
『んふふ、貰いもんなんで、これは』
さっきのカルピス一気飲みした小島の姿が頭を過って、少し笑ってしまう。
緩んだ表情筋をなんとか引き締めてから横を見たら、先輩のまっすぐな瞳がこっちを見つめていた。
『……ん？』
「A、早よ弁当食べな。もう昼休み終わってまうで？」
『え、もうそんな時間？！……ほんまやぁ！！』
腕時計を見たら昼休みはあと5分しか残っていなくて、だらだら食べすぎた！なんて今更後悔した。
すると先輩は呆れたように笑って、慌ててお弁当をかきこむ私を眺めている。
「先行ってもらっていいですよ」と口の中パンパンで言ったら、「食べながら喋んな」って軽く怒られたけど、先輩は結局最後まで待ってくれた。
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作者名：ぽて子 | 作成日時：2023年6月11日 22時
