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何もなかったことにして帰ればまた明日からも変わらない日々が続くのだろうか。何か部活をしているわけでもない。趣味もさほどあるわけでもない。特に目標もなくある程度の大学に入るためだけに授業を受ける日々。
そこまで考えてぞっとした。これじゃあまるで、ただ日々を過ごすためだけに生きているような。
そして思い当った。俺が戸惑っていたのは、きっと、今まで過ごしてきた普通の日々が変わってしまうのではないかという恐れを抱いていたからだ。だけど平凡な色褪せた日々を認識してしまった今、このままのほうが恐ろしいと感じてしまった。
「……ずっと考えていることはあります。それが自分の、本当の気持ちなのかは、……わからないけど」
見ていなかっただけでずっと思っていたこと。……将来のこと。
「じゃあ、その“ずっと考えてること”を話してみませんか? ずっと考えるって言うのも結構負担が大きいものなんですよ〜」
「そう、ですかね」
「そうそう!」
「そうそう」
ももさんが朗らかに笑いながら言う。それに、まだ頭の中がグルグルしている俺は簡素な言葉しか返せなかった。しかしその後にサトウさんとスズさんが嬉しそうに追随してきた。その声に心が少し軽くなったような気がした。そしてスズさん。あんたのセリフにどう考えても(便乗)って書いてあるのを俺は見逃してないからな。
短いけどここまでです〜……。
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作者名:とまとまと | 作成日時:2020年7月9日 21時