時の流れ風の向こう (ページ5)

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第一章-運命の出会い1- ページ5

尾「しっかし、雷蔵はすごいよな〜。手裏剣のテスト、俺ら五年の中で一番だったじゃん。」

鉢「まあな、でも雷蔵特有の迷い癖はあったけどなー？」

不「もう！褒めてるのか貶しているのかどっちかにしろよ〜！！」

僕、「不破雷蔵」は尾浜勘右衛門と鉢屋三郎におちょくられながら、五年の同級生と一緒に忍術学園に帰っていた。

久「帰ったら、おばちゃんに新しい豆腐レシピを教えてもらおう♪」

竹「なら、オレは委員会の仕事の準備でもしますか！」

久々知兵助と竹谷八左ヱ門はそれぞれの用事があるようだ。

鉢「じゃあ、私は雷蔵と一緒に……って、んん？」

不「どうした、三郎？」

鉢「雷蔵、あそこ…」

僕は忍術学園の正門を見る。正門の前に人が倒れていた。女の子のようだ。

不「ひ、人が倒れてる！？助けなきゃ！！！」

鉢・久・竹・尾「「「「雷蔵！？おい！！」」」」

四人の止める声も聞かず、僕は一目散に倒れている女の子の元に向かった。

不「だ、大丈夫ですか！？」

女の子のそばに駆け寄ると、僕は女の子の体を揺さぶった。すると……

『ん……』

不「気がついた！！」

女の子はゆっくりと目を開けて、僕のほうを見た。

不「…！！」

僕は、その女の子を見て息を呑んだ。

＿＿＿漆のような長めの黒髪が背中の真ん中に綺麗に下ろしており、瞳が大きく、睫毛も長くて赤みがかった唇が印象的な、
＿言葉を失うほどの美しい女の子だった。