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適当に同僚に嘘をついて、受付記録を盗み見る。
確かにあの審神者と刀剣男士達はここに来ているようだ。

上から隊長は山姥切国広
今剣
和泉守兼定
堀川国広
加州清光
そしてなぜか女子トークで話題沸騰、私がいた時にはいなかった三日月宗近の名がある。

…どうせあの女のことだろうから、この三日月宗近を手に入れるために大量の資源と霊力を注ぎ込んだんだろう。

その記録を元の位置に戻し、彼らのいる控え室まで向かった。


その渦中、耳障りな甘ったるい声が横をすぎる。

腹が煮えくり返る思考回路、不愉快な言動、あの誰かに甘えるようなあの声…、


自然と手に力がこもるが今はあの女にあってどうこうするつもりはなかった。

その甘ったるい声の主は他の男に鎌をかけている。
相手は嫌そうで誰かに救いを求めていたが、助けるつもりはない。

むしろそうしてしまったから今の私の立場だ。大事件にまで発展してはいないので悪いと思いながら素通りした。



どんどん突き進み、彼らの目と鼻の先の小部屋まで進んだ。

_ここだ。


ピタリと急ぎ足で進んでいた足を止め、深呼吸をする。


襖の向こうの彼らにあわせる顔なんて無いかもしれない。

でも_
「失礼してもよろしいでしょうか?」

受付時の機械的な声を出す。

「……。別にいいけど。」

向こうから加州清光の声がぼそっと聞こえたので遠慮なく静かに襖をあけた。

そこに居たのは他の刀剣男士達とは打って代わり、酷く疲れた彼らだった。三日月宗近はまだ来たばかりなのだろう傷のない状態の姿だ。


「何の用?…主が呼んでるの?」

そう言って襖に1番近い場所にいた加州清光が物寂しげな顔で私に聞く。



相変わらず充分に手入れして貰えない状況からして、次はどの刀を狙うつもりなのか大層呆れる。


_演練場の規則の1つに
ここの戦いで消耗した分はその分だけ返すという特別なルールがあった。

つまり傷のない刀剣男士が演練場で傷を負えばその分の手入れを、刀装がなくなればそれと同じ価値の刀装を渡すといった仕組みだ。

模擬戦が終わって手入れを済ませているはずの彼らがぼろぼろなのは…本丸で手入れをして貰っていない明白な証拠だった。

「いえ、しばらく審神者様はお呼びになられないと思います。」


「え?…じゃあ_」
「…少しお話をしに来たのよ。久しぶりね、加州。
2ヶ月ぶり…かな?」
まだ気づいていないので顔に垂らした紙を外し彼らを見ると、三日月宗近以外は全員驚いていた。

捌→←陸



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作者名:沙恵燬 | 作成日時:2019年2月1日 1時

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