第一幕 審神者ではありませんが何か? 壱 ページ1
まずは自己紹介から始めましょう。
私はA。
歳は18、身長168
体重は…ご想像にお任せしよう。
そんな私は…"政府"と呼ばれる組織にいつの間にか取り込まれ、
審神者という刀から顕現する力を持つ役職_
_になっているのではなく、
「審神者様、本日はようこそ演練場へいらっしゃいました。」
_とある演練場の受付員をやっていた。
今日訪れた男の人、審神者に笑顔で挨拶する。
…最も顔に紙を垂らし隠しているので見えないだろうけど。
「はい。審神者登録名◯◯◯様でございますね。
本日部隊にあげられる刀剣男士は_
__で宜しいですね?」
色々の質問を聞き、さらさらと書類に記入をしていった。
「では、あちらの待合室にてお待ちいただけますでしょうか?
刀剣男士はあちらです。」
同僚に刀剣男士を向こうの方まで案内してもらい、私は次の準備をしていると、先程の男の審神者は立ち止まり私に尋ねてきた。
「私…ですか?
ここ最近になって政府の命により配属した者です。まだまだ未熟者でございますが貴方様のお力になれるよう精一杯勤めさせていただきます。」
いつものように返せば男の人は違うという。
そういうことを聞いたのではない、と。
「この垂れ下がった面代わりの紙と、この巫女服…。
ふふっ、…貴方様なら勘付いていらっしゃるかもしれませんね。
私は鈍くさいあまりに職を追われてしまい、途方にくれていました。ですが、無一文で出来損ないの私に、政府は仕事と住む場所を提供して下さり_この巫女服も仕事用にと頂いたものなのです。
私には他の方々の着るスーツという衣服が御座いませんから。
…周りには笑い話にされますけど、私極度の人見知りでコレ(面)がないと話せないんです。」
眉を八の字に曲げて顔に垂れ下がる紙を触る。
そういえば彼は納得したようで大人しく待合室の方に進んでいった。
彼は私の事情(作り話)を聞いて気にしてくれているのかちらちらと此方を見るので、営業スマイルで手を降った。……最後まで。
そして辺りに誰もいないことを確認して息を吸った。
はっきり言おう。
「疲れるんだけど!」
ほんとだるい!何これ?なんで私がこんなことしてるのよ!
今更すぎる疑問を今の私にぶつけた。
…まあ、元はと言えば自分の偽善のせいなのだけど。
他の誰でもない。
でもやはり私はあの時の決断は間違ってはいなかったのだ。
そう言い聞かせるしかなかった。
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作者名:沙恵燬 | 作成日時:2019年2月1日 1時