肆拾壱─燭台切光忠─ ページ42
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「こりゃあ驚いた。
なぁ、光坊……まさか、お前がそっち側だったなんて」
彼女が去った方を見つめていると、後ろから今1番聞きたくない声が俺を刺すように響いた。
「……鶴さん」
あらかた、僕がここで作業をしているのを畑のすぐ側にある……あの大木の枝あたりに腰掛けてずっと、気配を殺して観察していたんだろう。
声の調子は軽いが、顔は全く笑っていない。
「なぁ、俺はお前に言ったよな?
アイツには近付くな、見つけたら即刻斬れって、言ったよな。
なのになんでお前は、一緒に畑なんかいじってんだ。
昼だってそうだ!
お前、伽羅坊のところにいたんだろう?
なんで審神者がいるってのに放っておいたんだ。先代や先々代みたく斬りゃ良かっただろ!!
なぁなんでだ、答えろよ光坊!」
「鶴さんは……」
駄目だこれは。
これは、言っちゃダメだ。
「鶴さんは分かるわけないよ」
いくら鶴さん相手でもこれを言ったら駄目だ。
「……何が」
頭で分かってはいる。けど、僕の開いた口は止まらってくれなかった。
「鶴さんには分からないよ……審神者というものがどんなに怖いか。
先々代の……8代目の時にここに来たばっかりの鶴さんには、僕らがどんな思いでここにいたのか分かるわけない!
確かに彼女を斬れさえすれば、全部終わるのかもしれない……でもそんな簡単に言ってのけられる話じゃないんだよ。
もしそんな簡単な話なら、今頃彼女はこの世にいないし、僕達はこんなことになってない。
何も……何も知らないくせに、勝手なことばかり言わないでよ!」
感情のままに言葉をぶつけてから、はっと我に返って鶴さんを見ると、その顔は驚愕と哀しみで満ち溢れていた。
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朔夜(プロフ) - あみあみさん» 今週もコメントありがとうごさいます!来週テストですか・・・頑張って下さい!私もそろそろ学校が始まるので更新ペースが・・・頑張りますね・・・これからもよろしくお願いします! (2017年9月16日 13時) (レス) id: 69535f952d (このIDを非表示/違反報告)
あみあみ(プロフ) - ついに続編かーーー 来週楽しみダーーー あっ、来週私学校のテストダ・・・ よし、この小説を読むためにテストがんばりまーーーーす (2017年9月16日 12時) (レス) id: 3f689df719 (このIDを非表示/違反報告)
朔夜(プロフ) - あみあみさん» コメントありがとうございます!どうも今回、更新日時表示が途中までオフだったみたいで・・・私自身「何故!?」と思いながら何度も更新したので見にくかったと思います・・・すみません! (2017年9月10日 9時) (レス) id: 69535f952d (このIDを非表示/違反報告)
あみあみ(プロフ) - 更新されてからすぐに読みました 朔夜さんサイコーーーーーーー (2017年9月10日 2時) (レス) id: 3f689df719 (このIDを非表示/違反報告)
朔夜(プロフ) - ゆらさん» わざわざコメントありがとうございます!主人公は私も「こんな友達ほしいなぁ」と思いながら作ってるのでそう言っていただけて本当に嬉しいです!これからは忙しくなるので更新ペースは落ちそうですがどうかよろしくお願いします。 (2017年9月2日 23時) (レス) id: 69535f952d (このIDを非表示/違反報告)
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