拾玖 ページ20
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『こんのすけ』
「なんでごさいましょ……」
『これは
この部屋はなんだ?』
私とこんのすけは、目の前に広がる光景に唖然とするほかなかった。
目の前には、色黒の男。
体中血に塗れており、その体は力無く壁にもたれてぐったりとしている。
特に目元、両肩、両足は酷い。あらかた、抵抗手段を奪おうとして傷をつけたのだろう。ただいたぶっているのではなく、明確な目的が感じられた。
普通の人間ならこれだけ血を流していれば即死だが……ここはやはり本来人でないものだからか、辛うじて意識はあるようだ。
とはいえ『意識がある』だけで呼吸は静かで、深い。
『こんのすけ、彼は。』
「はい、彼は大倶利伽羅、という刀剣です。
怪我は前々任によるものですが、貴女様であれば直せます。
……あとあの、私事で申し訳無いのですが、彼の前では口を開いて頂けるとありがたいです。
彼の目は潰されていて見えてないようで、現在、実質私1人が喋っていることに……」
「承知しました」
なるほど、どういう字を書くのか全く分からん。
語感は穀物っぽいが……大栗殻、なんてそんな情けない名前の刀はいなそうだから多分間違いだ。
何はともあれ今は、この大怪我をどうにかすることが先決だ。メモに書く際には困るが、現状名前などどうでもいいし、幾ら刀だといえどこのまま放っておいても傷は悪化の一路しか辿らないだろう。
長谷部のくだりから予想する限り、私が彼に触れて霊力とやらを放出すればよさそうだ。
ゆっくりと1歩、近づく。
するとここの者ではない、私の異質な気配は感じ取ったのか、びくりと体を震わせるおおくりから。
だがやはり私の予測通り、動けないように筋の方を切られているらしく。四肢を動かそうとした痛みに大きく顔を歪めたっきりそれ以上、逃げたり動いたりする様子はない。
本当に彼らは、どんな扱いを受けてきたのだろう……
あくまで推測にすぎないが、先程私が来た時に会った人達の不可解な言動が少しずつ繋がってくる。
要するに、こんな風になるならもう人の身などいらない、
極力刺激を与えないようにゆっくり、静かに近付きしゃがむ。
「……少々失礼しますね」
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朔夜(プロフ) - あみあみさん» 今週もコメントありがとうごさいます!来週テストですか・・・頑張って下さい!私もそろそろ学校が始まるので更新ペースが・・・頑張りますね・・・これからもよろしくお願いします! (2017年9月16日 13時) (レス) id: 69535f952d (このIDを非表示/違反報告)
あみあみ(プロフ) - ついに続編かーーー 来週楽しみダーーー あっ、来週私学校のテストダ・・・ よし、この小説を読むためにテストがんばりまーーーーす (2017年9月16日 12時) (レス) id: 3f689df719 (このIDを非表示/違反報告)
朔夜(プロフ) - あみあみさん» コメントありがとうございます!どうも今回、更新日時表示が途中までオフだったみたいで・・・私自身「何故!?」と思いながら何度も更新したので見にくかったと思います・・・すみません! (2017年9月10日 9時) (レス) id: 69535f952d (このIDを非表示/違反報告)
あみあみ(プロフ) - 更新されてからすぐに読みました 朔夜さんサイコーーーーーーー (2017年9月10日 2時) (レス) id: 3f689df719 (このIDを非表示/違反報告)
朔夜(プロフ) - ゆらさん» わざわざコメントありがとうございます!主人公は私も「こんな友達ほしいなぁ」と思いながら作ってるのでそう言っていただけて本当に嬉しいです!これからは忙しくなるので更新ペースは落ちそうですがどうかよろしくお願いします。 (2017年9月2日 23時) (レス) id: 69535f952d (このIDを非表示/違反報告)
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