【コナン】⑤寝て起きたら前世の記憶思い出した。【男主】 (ページ48)

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まぁそんなわけで、今回突発的に僕が巻き込まれることとなった仕事は、裏稼業にしては珍しく、比較的穏便な形で終末を迎えることとなった。

全部が全部、こんなふうに綺麗な結末を迎えてくれるなら、警察の仕事も少しは楽になるんだがな。

だけど、今回の件が上手く纏まったのは、幸運にも互いの要望がピッタリと一致したおかげ。

言ってみればこれは、例外的なレアケース。

毎回例外が起こることを期待するなんて、切り株を眺めて兎がぶつかるのを待つようなもの。

つまりは、愚者の選択だ。

この国を守る僕たちは、常に賢者で在らなければならない。

だから、僕が今見つめるべきなのは、今回救われた一家ではなく、黒の組織に渡ってしまった莫大な資産の行方だ。

今回の出来事で、裏の社会に大きな資金が流れた。

それも、組織傘下の会社を経由する形──つまり、正規の譲渡手段を使って。

正規の手段を使ったということは、流れていったのは、いわゆる『綺麗なお金』ということになる。

裏社会にありながら、足の心配もせず好きなように使うことができる重要な財産だ。

今後それはきっと、盛大に悪用されることとなるに違いない。
公安としては、大きな悩みの種が一つ増えたことになる。

これからのこの組織の動きを察知するためにも、より一層広くアンテナを張っておかなくては。

そんなことを考えながら僕は一人、愛車に乗って自宅へと向かっていた。