【コナン】⑤寝て起きたら前世の記憶思い出した。【男主】 (ページ45)

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245. [番外編] ページ45

あんまりにもあんまりな愚問に、私は思わず声を出してクスリと笑った。

「そんなの、簡単なことじゃない。
ジンはAが好きなのよ。どう見たってあれは、ペットとご主人様って雰囲気じゃなかったわ。あれはまるで─────あら残念、お喋りはここまでのようね」

通話を終え、車の扉に手をかけたジンを見て私は口をつぐむ。

さすがに本人の前でそれを口にするだけの勇気は、私にはなかった。

運転席に乗り込んだジンは、再びルームミラー越しに私と目を合わせると、ニヤリと笑ってみせた。

「上手くいったぞ。
八百億と引き換えに、てめぇらのバックにある組織は俺たちが潰してやる」

「組織さえ無くなれば、他の裏組織はお金のないあなた方にわざわざ無駄な手を出すことも無いでしょうから…あなたの言っていた普通の生活というものに、戻れる可能性はうんと高くなりますよ」

にこりと優しく微笑むバーボン。

これで俺の仕事は終わった、とでも言いたげにそっぽを向いてタバコをふかすジン。

そんな二人に、私は何度もお礼を言った。
何度も、何度も。

本当に大変なのがこれからだということは、わかっている。

私たち家族が元の生活を取り戻せるか、幸せになれるかだってまだわからない。

だけど少なくとも、希望が見えた。
一歩前進することができた。

二人には、そしてそもそもの原因を作ってくれたAには、感謝してもしきれなかった。