【コナン】⑤寝て起きたら前世の記憶思い出した。【男主】 (ページ5)

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こっちよ、と手を引かれ、連れていかれたのは店の裏口。

どうやらこちらを使うと、ウォッカが出て行ったのとは、建物を挟んで真逆の通りに出られるようになっているらしい。

明らかに怪しい行動を取る俺たちに、店員は邪魔もしなければ余計な口を利くこともしない。

ただ、よく出来たロボットのように無表情なまま立ち尽くす彼らが、今はほんの少しだけ恐ろしかった。

裏口を出るや、すぐ目の前に止まっていたタクシーに飛び乗った俺たち。

どうやらこれは、彼女が事前に金を握らせて、手配しておいてくれたものらしい。

このぶんだと、もしジンからの電話がなかったとしても、どうにかして俺からウォッカを引き離す作戦も考えられていたに違いない。

「お願いしてあった通り、例の場所まで連れて行ってちょうだい」

タクシーが到着したのは、例の店から程遠くないホテル街。

追われている時に長距離を移動しようとすると、交通手段などが限定されるために足が着きやすく、帰って居場所がバレやすくなる。

だから、適当な部屋でも取って身を潜めることを選んだのか…と思っていた俺の予想に反して、彼女はホテルへは入ろうとしなかった。

歩きながら俺に上着を一枚脱ぎ捨てさせた彼女は、自分も来ていた服を裏返した。追っ手が来ること前提で、予めリバーシブルの服を着てきたらしい。