【コナン】⑤寝て起きたら前世の記憶思い出した。【男主】 (ページ38)

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238. [番外編] ページ38

五百億円を持って日本に帰った私たちを待っていたのは、全く見覚えのないたくさんの "親戚" たちだった。

『やぁ、久しぶりだね。
宝くじに当選したんだって？おめでとう。
ところでうちの会社なんだけど、実は今経営難でね…』

『あら、こんにちは。
そういえばおたく、アメリカでいい事があったらしいじゃないですか。なんでしたっけ、七億ドル？羨ましいわねぇ。
その十分の一、いいえ、百分の一でも構いませんから、ちょいとあたくしに貸してくださいません？実はうちの子、大学受験に失敗しちゃってねぇ…』

次から次へと来る人来る人、みな金の無心ばかり。

私の両親がどれだけ気を使って丁重にお断りしても、断わったというただそれだけで、ケチだとか意地汚いだとか、あらぬ噂をたてられた。

親戚なんて、父方も母方も、これまでまったく関わりがなかったのに。

私の両親は若年婚だったから、それを反対した祖父母には勘当され、どちらも家を追い出されている。

当然血の繋がった親戚ともとっくに縁が切れ、私たち家族はこの三人だけで頑張って頑張って、ここまで生きてきたのだ。

私が人並みの生活をしながら幸せに生きていられたのも、私の両親が必死の思いで働いてくれた過去があるからだ。

なのに。

今更親戚ぶって助けを求めようだなんて、そんな都合のいい話があるか。

私たちの助けがなくたって、十分生きていけるだけの貯えが、その人たちにはあるはずなのに。

私たちが大変な思いをして、色々切りつめながら苦労して生活していた頃には誰も手を差し伸べてくれなかったくせに。

立場が逆転したら今度は金を寄越せだなんて、虫がいいにも程がある。

血の繋がった "他人" たちは毎日のように私たちの元へ押しかけたが、私の両親は、そのすべてを断った。

皆に平等に、断り続けた。