【コナン】⑤寝て起きたら前世の記憶思い出した。【男主】 (ページ30)

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あくまで優しく、丁寧に。

普段からは想像がつかないほどの気遣いをもってAに触れている己を省みて、俺は思わず自嘲した。

まったく、こいつはどこまで俺を変えたら気が済むのだろう。

俺の身体の下に敷かれて身をよじらせるAを見ながら、俺はそんな、自分に似つかわしくないことに頭を巡らせていた。

考えながらも唇は、手は、舌は、優しく熱く、Aに触れ続ける。

Aの、普段は少し心許なくも思える柔らかさや小ささが、今は丁度良く思えた。

「…っ、……ふぁ、…ぁ……」

堪えきれなくなったとでも言うように漏れ始めたAの、吐息混じりのかすかな声。

それすらも心地好く感じながら、身悶え始めたAを宥めるように、その髪を撫でてやる。

生殺しのような現状に、少々物足りなさを感じないでもないが、たまにはこんな触れ合い方も悪くねぇ。

俺の方が上にいるため、必然的に唾液はAの口内へと伝い落ち、集まる。

ついにはそれを飲むことすらできなくなったのか、その口の端から透明な液体が少しずつ溢れ始めた。

頬を通り、耳の方へと徐々に近づいてゆくそれを、そっと舌で舐めとってやる。

それが、くすぐったかったのだろうか。

「んぁっ、…」

俺が一旦唇を離したことで無防備に開かれていたAの口から、何かを堪えるような鼻にかかった声が零れた。

これまで漏れ聞こえていたかすかな声とは比べ物にならないほど、扇情的で艶っぽい声だ。

自分でも予想外の事だったのか、赤らんでいた顔をますます真っ赤にしたAは、ついには自らの手でその顔を覆い隠してしまった。

このあたりが潮時か…と判断した俺も、折り曲げていた肘を伸ばし、上半身を持ち上げる。

これ以上は、流石にまずい。

すでに自身が軽く兆しつつあることには気づいていたが、これ以上続けていたら本当に抑えが利かなくなってしまう。

流れに乗じてこのまま抱いてやろうと思わない訳でもないが、こいつはきっとまだそこまでを望んではいないのだろう。

多少強引でもいいから、早く既成事実だけでも作ってしまえ…と囁く自分がいることには、気がつかなかったフリをした。