【コナン】⑤寝て起きたら前世の記憶思い出した。【男主】 (ページ28)

今日:67 hit、昨日:41 hit、合計:210,647 hit

228. ページ28

からかうだけにしてやるつもりだったが、気が変わった。

悪いのは無自覚に煽りやがったてめぇの方だからな…と心の中で呟きながら、俺は短くなったタバコの火をもみ消した。

そして空いた両腕をベッドにつくと、そのままAの上に覆いかぶさる。

「なっ、ちょっ…ジン！」

慌てたようにAが身をよじったが、そんな可愛い抵抗ごときで、俺が逃がすわけもない。

「嫌ならもっと本気で抵抗してみろ」

そう言ってぐいと顔を近づけてやれば、Aは困ったように眉尻を下げた。

「嫌…じゃ、ないけど。

ジンこそ、嫌じゃないのか？
俺、男だぞ？」

薄々そんな気がしてはいたが、どうやらこいつは俺の気持ちにまったく気づいていないらしい。

俺にしては珍しく、もう随分と前からわかりやすい愛情表現をしてやってきたつもりだったのだが。

これまでの戯れ交じりの接触も、すべてこいつは主とペットの触れ合いとして甘受していたというのか。

他人の機敏には敏感なくせして、変なところで鈍感になるこいつのことだ。その可能性は十分有り得る。

「チッ…てめぇには、俺が、任務でもないのにわざわざやりたくもねぇ事をするような馬鹿に見えるか？」

「そうは思わないけど…」

どう反応すればいいのか分からない、と言いたげにきょろきょろと視線を彷徨わせるA。

ったく、信じていないのは俺じゃなくて、お前の方じゃねぇか。