【コナン】⑤寝て起きたら前世の記憶思い出した。【男主】 (ページ27)

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「なぁ、ジン。
俺、ジンのこと好きだよ」

真っ直ぐにこちらを見つめながら零されたそれは、ペットとしての言葉か。
それとも、A個人としての言葉か。

どちらだとしてもAから好かれている自信はあったが、どちらの意味合いでかけられた言葉なのか判別がつかなかった俺は、ただ「ああ」とだけ声を返した。

その間にも、手はゆっくりとAの頬を撫で続ける。

「んー、イマイチ信じられてない気がする。ま、いいけどな。

……ジンって、キス上手いんだなぁ。初めて知った」

信じていない訳では無い。

寧ろ、確信がありすぎるが故に返事がおざなりになったとも言えるのだが…まぁ、わざわざ説明してやることもないか。

キスに関しても、あえて言うまい。

というか、随分と話があちこちへ飛ぶが、こいつは酒でも飲んだのだろうか。

そっと口元に鼻を近づけて匂いを嗅いだが、特にアルコールの香りはしなかった。

フン、ただ寝ぼけているだけか。

「ジン、どうした？顔が近いぞー」

間延びした声でそんなことを聞くこいつは、完全に無意識でやっているのだろう。

タチの悪いやつだ。

「…なんだ、キスでもしてやろうか」

悪戯心に、耳元に口を寄せてそう囁く。

するとAは首まで真っ赤にしてふるふると首を振った。

「だめ、また腰抜ける…」

まったく、こいつは。