【コナン】寝て起きたら前世の記憶思い出した。【男主】 (ページ15)

今日:43 hit、昨日:190 hit、合計:475,022 hit

15. 道は見えた。ページ15

さて、色々な意味でドキドキしながら挑んだジンとの対話だったが……結論から言えば、それはもう最高に盛り上がった。最終的にはどこで止めればいいのか分からなくなるほど議論が白熱していた。

急用とやらを終えて教授が研究室に戻ってこなければ、明くる朝まで語り続けていたかもしれない。

もちろん途中でやめようと思えば、話を切りあげられるタイミングはたくさんあった。だが、彼との会話があまりにも楽しかったのでついつい話を引き伸ばしてしまったのだ。

でも悪いのは俺だけじゃない。話が途切れたと見るやすかさず新しい話のネタをチラつかせてきたジンも同罪だ。

当たり前だけど、俺だって最初は緊張していた。初っ端からフルスロットルで会話に臨むような馬鹿はしていない。ジンにしたってそうだ。

始めのうちは双方互いに大人しく、

「黒澤陣だ。いくつか質問があるんだが、いいか」

「あ、諸伏といいます。ご遠慮なくどうぞ」

などときちんと猫を被った態度で接していたのだ。一応言葉選びも慎重にしていたし、会話の内容も件のプログラムについての表面的なものだけだった。

…そのはずなのに、時間の経過と共に話に熱が入り、気がついた時にはお互いもう後戻りが効かなくなるほど議論がヒートアップしていたのだ。

丁寧だった口調は荒くなり、質疑応答のようで当たり障りのなかった内容はいつの間にやら、新たに開発したいプログラムや社会に需要のあるソフトなどの話へと派生していた。

多分、話が盛り上がるきっかけは掃いて捨てるほどあったのだ。

俺は好きで学科を選んで、自分の意思で開発チームにも参加していた。当然それなりには自分の意見も持っていたし、四年間専門として学んできたというプライドだってある。
そしてこれは、話をしてみてわかったことだが……普段は言葉数の少ないジンも研究開発には意外と熱くなるタイプの人間だった。

そんな二人が語り合えば、議論が白熱するのはもはや自明の理であったとすらいえるだろう。