【コナン】寝て起きたら前世の記憶思い出した。【男主】 (ページ1)

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1. 目覚め。ページ1

[-景光’s side-]

ある日、目覚めたらそこはコナンの世界だった。

笑えない冗談だ。
嘘だろ、と思って二度寝をしようとしたところ、苦笑いした弟に優しく揺り起こされた。これでは起きるしかないではないか。

チョロい？

なんとでも言え、好きなものは好きなんだから仕方がないじゃないか。
弟の可愛さに睡魔ごときが勝てるわけもない。

睡魔を吹き飛ばして大人しく布団を出た俺は、洗面所へ行くと蛇口をひねった。春先の肌寒い朝に、家の中とはいえ水はまだ冷たい。

両手に水をため、小さく息を吸って…とめる。こぼさないようにそっと腕を持ち上げれば、首筋を撫でられるようなゾワッとした感覚とともに冷たい水が顔に触れる。
二度、三度、と同じ動作を繰り返して満足した俺は手探りでタオルをつかむと顔をうずめた。ふわ、と温かいタオルに包まれる瞬間が俺は好きだ。もふもふ、ぱふぱふ、と柔らかな生地が俺を癒してくれる。

だが今はのんびりタオルを堪能している場合ではないぞ、と顔を洗ったことですっきりした意識がささやく。
そうだ、ふわふわを楽しんでいる暇は今の俺にはない。考えなければならないことがあるのだ。コナンだ、コナンだぞ。

……わかってはいるがやめられないあたり、この感触には抗えない魔力があるに違いない。

結局いつも通りもふもふと顔を幸せに包まれること数十秒。ご飯だぞ、という弟の声にようやく惜しみながらもタオルを手放した俺は、食卓へ向かって腰を下ろした。

朝食を用意してくれた弟に礼を言いつつ、手を合わせていただきますと口にする。日本人たるもの、この挨拶は大事にしないとな。

弟と二人、仲良くもしゃもしゃと朝食をとる。口いっぱいにご飯を詰め込んで咀嚼する弟に癒されつつ、俺は今の状況を整理しようと試みた。