【家政婦】空気のように (ページ21)

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20 嬉し涙ページ21

sideとしみつ

り&と「ただいまー」

部屋からAちゃんが出てきてくれた。

『おかえりなさい。何か飲み物でも入れましょうか？』

り「ううん、大丈夫。ありがとう。」

『部屋にいるので、何かあったらいつでも声掛けてくださいね。』

と「おう。」

そう言ってまた部屋に戻っていくAちゃん。

り「よし、組み立てるか！」

と「おう！」

り「できた～」

りょうがいたから30分くらいで組み立て終わった。

さすがりょう。

と「りょう、まじでありがとな！」

り「いいって。早くAちゃんのとこ持っていこ！」

トントン

Aちゃんの部屋をノックする。

はーい、と言う声が聞こえた後すぐにドアが開いた。

『どうしました？？』

りょうが俺に目で、言えって合図した。

と「あー…これ、Aちゃんに。
気にいるか分からんけど、ないと困ると思って。」

俺を見ていたAちゃんの目が大きく見開かれた。

　
Aちゃんの目線が俺、机、りょう、

そして最後に俺に移る。

『……うぅ、また涙が出そうです…』

そう言って潤んだ目から涙が落ちないように上を向くAちゃん。

『今、買いに行ってくださってたんですか？』

り「うん、としみつから急に買いに行こうって言われてねw」

『そうなんですか？あぁ…
としみつさん本当にありがとうございます。
りょうさんも本当にありがとうございます。』

そう言ってお辞儀をするAちゃん

顔を上げた拍子に、Aちゃんの頬に涙が一筋溢れた。

と「ははっ、泣くなってw」

『うぅっ…ごめんなさい…嬉しすぎて…』

Aちゃんの目からはポロポロと涙が溢れてくる。

と「気に入った？」

そういうとAちゃんは首をブンブン縦に振って

『もちろんです！こんなに素敵な机…
本当にありがとうございます。』

り「こんなに喜んでくれるなら、俺もなんかあげたくなっちゃうw」

『私はもう本当に幸せで充分です。ﾆｺｯ』

り「ははっ、なんかあげさせてよwでも毎回泣かれると困っちゃうけどねw」

『ははは…皆さんが温かすぎて、勝手に涙が出てしまうんです。』

そう言って微笑むAちゃん

と「じゃあ免疫つけねぇとだな。w」

『慣れてしまったらもったいないです。』

と「なんだそれw」

まるで優しさが有限であるようにそういうAちゃん。

俺らは多分ずっとAちゃんを大切にするだろうに。