【家政婦】空気のように (ページ16)

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15 優しさページ16

sideりょう

り「Aちゃん、今日から住み込みでしょ、部屋とか決めよ？」

と「うわっさらっと名前呼びしてやがる、こいつ…」

『……そのことなんですけど、本当に大丈夫なのでしょうか？』

ニコニコ顔から申し訳なさそうな困った顔になった。

て「どうしてっすk、どうして？」

無理してタメ語にしなくても良いのにw

多分早く仲良くなりたいんだろうな。

『…皆さんも家から毎日通ってらっしゃるのに、部外者の私が1人住み込みなんて…
あまりにも図々しいと思うんです。
しかも家賃も免除で…』

て「あー…そんなこと全然気にしないで大丈夫ですよ、俺ら全員の了承の上で決まったことです。今日一日でもAちゃんがいてくれるありがたさっていうのをすごく感じるし、これからもAちゃんなら俺らを助けてくれるんだろうなぁってなんか知らんけど思った。」

こういう時、てつやって本当優しいんだって感じる。

り「俺らのことを助けてくれる代わりにAちゃんの生活も狂っちゃって、Aちゃんが体壊したら大変だしね。」

と「みんなそんなに気にしてないと思いますよ。」

一番反対してたとしみつもAちゃんは受け入れられるみたい。

む「逆にすみません、こんなむさ苦しいなかに住んで貰っちゃってw」

女嫌いの虫さんもこうだ。

全員がAちゃんを受け入れてる。

Aちゃんが買い物に行ってる間のてつやの話を聞いたのと

今日半日のAちゃんの言動から、俺らはAちゃんに家政婦をして貰うっていうことを完全に決心した。

て「辛かったらなんでも言って、これから俺らをよろしくお願いします。」

Aちゃんの目から涙が一粒こぼれた。

一粒、また一粒、

ポロポロと涙を流すAちゃん

て「え？！え？！だ、大丈夫ですか？？」

『…すみません……あまりにも、…優しくてっ…』

『ありがとう、ございますっ…本当に…
…皆さんの力に、少しでもなりたいっ。
本当に本当に、ありがとうございますっ。』

涙を流しながら、途切れ途切れにそう言うAちゃん

涙の一粒一粒に意味があるんじゃないかと思ってしまうほど、

彼女の今までの人生が見えてしまうのではないかと思うほど、

その表情は、

酷く切なく、

しかし優しく、

不気味なほど、美しかった。