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叶わない Tetsuya ページ5

「あー彼女欲しいー」
「またそれぇ?」

私の隣でそう言っているのは友達のてつや。

私と会う度に毎度こんなようなことを言ってくる。

今日はまだ私の家だからいいけど、公共の場でも言うからたまったもんじゃないよね。

「だってもう2年おらんのだよ?そろそろ欲しいやん」
「欲しいやんって……そんな簡単に言うもんじゃないでしょ」
「簡単に言ってないって……俺もうずっと好きな人おるんだよ?」
「……え、そうなの?」
「そうだよ!なのにぜんっぜん振り向いてくれないどころか気持ちに気づいてすらくれん」
「……そっ、か。まぁ、そのうち気づいてくれるんじゃない?」

私にしては頑張った。

私にしては笑顔作れてた。

もう、自分の気持ちを隠しながらてつやの話を聞くのも慣れた。

今までは彼女欲しいとしか言わなかったのに。

ずっと、心の中で私にすればいいのにって思ってたのに。

好きな人がいるならもうそんなことを思うことすら余計に辛くなってしまう。

そんなことを1人、心の中で思っているとてつやが おーい、と私を呼んでいるのが微かに聞こえたため、意識をそちらに向ける。

「あ、ごめん。ぼーっとしてた。なんて言った?」
「もー。だから、俺の好きな人は一体いつになったら気づいてくれるんだろうねって」
「……あぁ、そうだね」
「……まだ、気づいてくれない?」
「……ん?」

どういうこと?と考えが追いつかなくて、固まってしまう。

「……俺、お前のことずっと好きなんだけど。いつ気づいてくれるの?」
「……え、」

そう言われて、てつやの言葉を噛み締めて、じんわりと涙が零れる。

「わ、……ごめん、困らせること言って。今の忘れて……」
「忘れるわけ、ない」
「……え?」

泣いている自分を落ち着かせて、ゆっくりと深呼吸をする

「私も、てつやのことずっと好きだった」
「えっ……」
「……なのにすぐほかの女の子と遊ぶし、私の前だと彼女欲しいばっかりだしさ。あぁもう無理なんだなぁって思ってた」
「……ごめん」
「もう、いいの。結果今幸せだから」

そう言って微笑むとふわ、と抱きしめられる自分の体。

「……バカ可愛い」

「もう一回Aにちゃんと言う」

私の耳元でそんなことを言って、体をゆっくりと離すてつや。

私の目をしっかり見て

「Aのことがずっと好きだった。付き合ってください」


そんなの、返事はもう_____

後悔 Toshimitsu ※→←私しか知らない Ryo



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設定タグ:東海オンエア , 短編集   
作品ジャンル:恋愛
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ななみ(プロフ) - ハルカさん» コメントありがとうございます!消してはいないですが、R 指定のため設定で見れるようにしないと多分見れないと思います(・・;) (2020年5月8日 10時) (レス) id: 6e0b0f72a4 (このIDを非表示/違反報告)
ハルカ(プロフ) - いつも楽しく拝見させてもらっています。すみません、愛し尽くして の小説は消してしまいましたか?調べても出てこなくて…すみません。 (2020年5月4日 6時) (レス) id: 7c1a42ee5f (このIDを非表示/違反報告)
ななみ(プロフ) - Mrs.ぱんぷきんさん» リクエストありがとうございます!かしこまりました!てつやさんのお話書かせていただきます! (2019年9月11日 22時) (レス) id: eb78b3d28f (このIDを非表示/違反報告)
Mrs.ぱんぷきん(プロフ) - いつも楽しく拝見させていただいてます!リクエストなのですが、てつやさんと年下女の子、てつやさんとリスナーなどなど…てつやさんのお話が見たいです!よろしくおねがいします!! (2019年9月11日 17時) (レス) id: 534e341e06 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:ななみ | 作成日時:2019年6月1日 23時

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