月が綺麗ですね Part2 【東海オンエア】

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虫眼鏡Side



ここ最近、Aが岡崎に来ない。



連絡しても返信がなかなか帰ってこないし、来ない理由も言ってくれない。



てつやはAに会えなくて益々無気力になっているし、としみつは不機嫌で、
いつもは余裕のあるりょうも少し不機嫌そうに見える。



僕は痺れを切らしてAに電話をかけた。



「俊介さんがね、改心してくれたの。
今は暴力も振るわないし、外出することも許してくれる。
私のことをちゃんと愛してくれるようになったの。
だから今度こそ彼のことを信じようって思ったの」



予想していないことだった。



まさか旦那が改心するなんて。



まさかAが旦那のことを信用するようになるなんて。



虫「そう思ったからもうてつやたちとは会うのをやめようってこと？」



「…そういう訳じゃないけど…」



Aは途端に声が小さくなった。



虫「A、いい加減にしなよ」



「…ごめんなさい」



虫「本当にAが旦那のことを選ぶならそれでいいよ。
でも、本当にそれでいいって思ってる？後悔しないと思うなら構わないよ。
でも、3人にちゃんと話さないで会わなくなるのは3人に対して失礼だよ」



「わかってるよ…」



虫「わかってないよ。Aから連絡が無くて3人がどうなってるかわかる？
てつやは今まで以上に無気力になっちゃったし、としみつは不機嫌だし、
あのりょうだってイライラしてるんだよ？」



「そうだったんだ…」




虫「Aが誰を選ぼうともちゃんと3人に話してよ」



「そうだよね。有耶無耶にするなって言われたのにそうしてたよね」



虫「もう一度聞くけど、Aは本当に旦那を選ぶんだね？」



「…」



Aはしばらく黙ってしまった。



そういうことじゃないか。



すぐに旦那を選ぶと言えないということはそういうことなんだよ。



まったく、僕の後輩は世話が焼けるなあ。

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