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「…あ、うん。おはよ。」
「おはよ、」
その毛布掛けたの私なんだからね、と言って隣に座ってくるAに少しほっとした。やはり夢は夢だ。現実とは何ら関係ない。
ふと、隣で雑誌を広げる彼女の手の甲を見てぎょっとする。
「…A、なに、その傷。」
「傷?…これ?」
震える声で尋ねる俺を不思議そうに見ながら、彼女は手の甲の傷を掲げた。
そのまるで『切った』かのような傷に恐怖を覚えて後ずさりしてソファーから立ち上がる。
「…あれ、覚えてないの?」
上目遣いでこちらを見上げて言う彼女の視線に、耐え切れなくてその場から逃げ出した。無我夢中で自室に向かう。そのせいか、後ろからの言葉に気づかなかった。
「私がサブチャンで料理しようとして失敗したやつじゃん…って、カンタ!?」
*
嘘だ、嘘だ。そんなことあるはずない。
あれは、現実だった ?
自室に篭もって、座り込む。
はっ、はっ、と息がだんだん荒くなる。苦しい。脳が揺れている気がする。
大きな犬を飼っていたのは?トミーが服を全部燃やしてたのは?壁に書いた時計が動かなくなったのは?カメラを食べたのは、一体誰?
俺が、Aを、傷付けた?
どれが夢で、どれが現実?
確かめなきゃ。
部屋中に散乱したメモをかき集めて夢日記を一つ一つ確認していく。
「これ…は、夢だよ…な?いや、キリンは黄色に決まってるだろ。…でもエアコンが襲ってきたのは現実だったような…」
ブツブツ呟きながら、ふと思う。
あれ、これって夢?おれはいま、明晰夢を見てるだけ?
夢日記を続けた3ヶ月の間で、俺はあることに気づいていた。それは、『夢の中では痛みに鈍い』ということ。さすがに痛くないとまではいかないが。
這うように移動し、ベッド脇のシャーペンを手に取った。ぐっと奥歯を噛み締めて、シャーペンを自分の手に向かって振りかざす。
「っかんた!!何やってるの!!」
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もうちょっとで終わる!もうちょっとだから!
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杉猫(プロフ) - リク話ありがとうございます!もこ坂可愛い。゚(゚´▽`゚)゚。消しゴムの顔が思い浮かぶくらい可愛いお話ありがとうございました! (2019年6月12日 18時) (レス) id: 04ecf5769a (このIDを非表示/違反報告)
ハクビ(プロフ) - Mai Yさん» リクエストありがとうございます!がんばります! (2019年6月8日 19時) (レス) id: 17afb1acf0 (このIDを非表示/違反報告)
Mai Y(プロフ) - トミーのヤキモチをリクエストしたいです! (2019年6月7日 21時) (レス) id: bc7e167811 (このIDを非表示/違反報告)
ハクビ(プロフ) - 桃さん» リクエストありがとうございます!エイジくん初挑戦、がんばってみます! (2019年6月5日 20時) (レス) id: 17afb1acf0 (このIDを非表示/違反報告)
かのい(プロフ) - リクエストお答えありがとうございます!めちゃくちゃ良くてキュンキュンしました!これからも更新頑張ってください! (2019年6月5日 17時) (レス) id: 1702f55027 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ハクビ | 作成日時:2019年5月21日 19時