チープマンデー トミー ページ1
幼なじみの話です
チープマンデー/Hump back
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トミーside
Aが、風俗で働いてるらしい。
その話が耳に飛び込んできたのは高校の同窓会の時だった。
_ほら、富永の幼なじみの。なんだっけ、ああそうAだ。あいつ、○×って店で嬢やってるらしいぜ_
衝撃だった。その時は酒を飲んで必死に動揺を誤魔化していたが、内心はパニック。そりゃそうだろ、初恋の女の子が知らぬ間に風俗嬢になってたなんて。
5年で、人はこんなに変わるものなのか。
がこんとレッドブルを2本レジに置きながら思った。
会計を済ませて、夜の繁華街へと向かう。
さて、アイツがどこまで変わってないか、確かめに行かないと。
『ご指名ありがと、う…』
やけにけばけばしいメイクをした目を見開いて、Aは固まった。
「よう。」
『よ、ようって…なんで?』
「なんでって…心配で見に来た、って感じ?」
はあ、と生返事をしたAがとりあえず座りなよ、とベッドの隣をぼふぼふと叩いた。
『…どこで知ったの?』
「高校の同窓会。結構出回ってるっぽいぞ。」
うそ、と苦い顔をする彼女にレッドブルを渡してやる。
『なにこれ、貰っていいの?』
「差し入れ。どうせこの後も客入ってんでしょ。」
『…別によかったのに、なんかごめんね。』
カシュッ、と缶を開けて少しずつ飲む彼女に、すぐ謝る癖は変わってねえなあと思った。
「こんな仕事辞めろよ。」
俺が一言そう言うと、Aは少しだけ笑った。
「辞められないの。まあ色々事情があってさ。」
それが終わったら、こんな仕事すぐに辞めてやるんだから、なんてあっけらかんと笑う彼女に、少し安心した。
なんだ、なんにも変わってないじゃん。昔のままの、がさつで、でも優しいAのままだ。
「…元気でやれよ。また来るから。」
そう言って立ち上がった俺をみて、Aも慌てて立ち上がった。
『もう行くの?』
「うん、仕事抜けてきたから。戻らないと。」
ごめんね、とまた謝ったAの頭をぐしゃぐしゃと撫でてやって、003と書かれた部屋を出た。
怠そうなボーイが提示した金額を払う。人の体って意外と安いんだな、と思った。
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杉猫(プロフ) - リク話ありがとうございます!もこ坂可愛い。゚(゚´▽`゚)゚。消しゴムの顔が思い浮かぶくらい可愛いお話ありがとうございました! (2019年6月12日 18時) (レス) id: 04ecf5769a (このIDを非表示/違反報告)
ハクビ(プロフ) - Mai Yさん» リクエストありがとうございます!がんばります! (2019年6月8日 19時) (レス) id: 17afb1acf0 (このIDを非表示/違反報告)
Mai Y(プロフ) - トミーのヤキモチをリクエストしたいです! (2019年6月7日 21時) (レス) id: bc7e167811 (このIDを非表示/違反報告)
ハクビ(プロフ) - 桃さん» リクエストありがとうございます!エイジくん初挑戦、がんばってみます! (2019年6月5日 20時) (レス) id: 17afb1acf0 (このIDを非表示/違反報告)
かのい(プロフ) - リクエストお答えありがとうございます!めちゃくちゃ良くてキュンキュンしました!これからも更新頑張ってください! (2019年6月5日 17時) (レス) id: 1702f55027 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ハクビ | 作成日時:2019年5月21日 19時