学生生活始めました。肆【文スト】【暗殺教室】【江戸川乱歩】

衝撃 ページ49

【乱歩side】

貴女 「実は･･････今日、同じクラスの男子に告白されてね。急なことだったから驚いちゃって。もちろん、彼のことは嫌いじゃないよ。でもほら、私は彼と違ってもう２０歳のいい大人でしょ？だから･･････どうしようかなって」

自分で悩みを解決するなどと云っておきながら、聞かされた内容に僕は衝撃を受けた。

Aが告白された･･････？

当たり前だけど、僕が名前を知りもしないような同じクラスの男子に。

しかも、彼女の口調から察するに彼を振るという概念はあまりないらしい、ということも一層僕にとってはショックだった。

でも、今はそんなことを考えてショックを受けている場合じゃない。

先刻僕はAの相談に乗るといったばかり。

何かしら答えないと･･････そう思って口を開いてはみたけれど、言葉が出てこなくて僕は結局口を閉じた。

･･････こんなにも言葉が出てこないのは、きっと相談内容が予想もつかないような、でも僕にとって重要なことだった所為だ。

まずは頭を冷静にして･･････。

自分自身にそう云い聞かせるようにしたけれど、どうにも気持ちが切り替わらない。

･･････その原因は自分でも判っていた。

本当は、Aが悩んでいるような少し沈んだ顔をして入ってきた時点で、薄々嫌な予感はしていた。

でも、僕はAが話そうとしないことに深入りをするのはしないと･･････例え、それがどんなに重要な話でも超推理は使わないと･･････昔から決めていた。

だから、今回もAが話し出すまで僕は待とうと、あえて相談に乗るという選択肢を提示した。

いや、本当はただ、真実を聞くことが怖かっただけなのかもしれない。

･･････けれど、Aの口から出てきた言葉は嫌な予感を見事に的中させてしまった。

しかも、その返答を前向きに考えている、というニュアンスすら感じられる表現付きで。

このままでは、今までのように僕が秘かに想いを寄せ続けていく関係性は終わってしまう。

それは僕にとっては悲しい出来事だけど、彼を選んだことでAが幸せになれるのなら、と素直に祝福したかった。

･･････でも、無理だった。

心の奥で祝福できずに後悔をしている自分が居るのだから。

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