可惜夜【すずめの戸締まり】

12.草太side ページ14

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こんな時に、タイミングが悪いのかなんなのか、大学の友達の芹澤の声が聞こえてきて、俺は鈴芽さんに芹澤の対応を丸投げして壁際を向いていると






視界の端に映ったのは──────Aの姿。






なぜ、Aが芹澤と⋯！






「え、あんた誰！？」






鈴芽さんを見て、芹澤は驚いている。






「あ、妹です！」

「え、アイツに妹なんていないよな？」

「うん⋯？」






鈴芽さんの言葉に、芹澤は隣のAに確認していて、Aも元々大きな目を更に大きく開いている。







「あ⋯妹同然の間柄⋯⋯の、従姉妹(いとこ)です⋯！」

「はぁあ！？」







大きくなる芹澤の声。







鈴芽さん⋯ごめん。芹澤だけだったらきっとそれで誤魔化せたけど、Aがいたら無理だ⋯







思わず、苦笑い。








「あ、あのっ、芹澤さん⋯ですよね？」

「あ？」

「草太さんから、お名前聞いてます。えっと⋯お隣の方は⋯？」

「はぁ！？俺のこと聞いてて、Aのことは聞いてないなんてことあんの！？」

「⋯え！あ！Aさん！聞いてます！確か同じ大学だって─────」









慌てる鈴芽さんを横目に、俺はハラハラしている。








Aは、ものすごく鋭い。⋯こども椅子が俺だってこと、バレそうだ。








「⋯────ふふっ、朋也(ともや)くん、ほんとに従姉妹だよ⋯鈴芽さんは」








Aは何かを悟ったのか、いつもと変わらない柔らかい笑顔を見せて、鈴芽さんに話を合わせてくれた。







そんな鈴芽さんは⋯目を見開き、固まっていた。







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