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23.〜回想〜 草太side ページ25

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──────



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──









「─────この子は、だれ?」











もう10年以上前。
じいちゃんがある日、同い年の女の子を連れてきた。










─────それが、A。










肌が白くて、幼いけど整った顔で、夜空を閉じ込めたような、綺麗な藍色の瞳が印象的だった。












「⋯Aは、この前の土砂崩れで両親を亡くしたのだ」

「⋯」











俺も早くに親を失ってじいちゃんに育てられていて、同じ境遇のAと仲良くなりたいとすぐに思った。










俺はAに心を開いて欲しくて、とにかくAに話しかけたり、一緒に遊ぼうと声をかけたりした。









けど───Aの目は(うつ)ろで、俺が話しかけても目は合わなくて、しばらくは俯いてばかりだったのを(おぼ)えてる。












いつもAは、ぼんやりと外を眺めては難しそうな本を読んでいて、Aから話しかけてはもらえず、心を開いてくれなかった。












────Aがじいちゃんのところに来てからしばらく経ったある日。












じいちゃんと俺とAで、少し遠出をした時に、後ろ戸が開いた。










「⋯みみずみたいなものが、あそこの山にみえる」










Aはそう呟いた。









普通の人にはミミズは()えないって、じいちゃんから教わってたけど、Aには視える。










すぐにじいちゃんは、危ないからと俺たちを置いて後ろ戸を閉めて、その後家に帰ってから、Aに閉じ師のことを教え始めた。











俺よりずっと才能があって、頭も良かったAは、厳しかったじいちゃんに、毎日のように「Aは誇りだ」って褒められていた。俺のことも褒めてくれたけど、Aの方が褒められてた。












将来Aと旅をして、同じ仕事ができるのも嬉しいと思ったし、なにより──────じいちゃんに褒められて、柔らかく笑うAの横顔を見るのが好きだった。









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しろりん(プロフ) - って事かな?すごく気になる!(芹澤くんも夢主ちゃんの事…好きなのかな?)夢主ちゃんが助かりますように…更新頑張ってください!(。>ㅅ<)✩⡱ (4月22日 14時) (レス) id: 2a6843f9ca (このIDを非表示/違反報告)
しろりん(プロフ) - 最高です…!草太くんが早い段階で人間に戻って鈴芽ちゃんと一緒に夢主ちゃんを救う為に中盤以降も旅をする』って、パターンは初めて読みました…!と、いうことは草太くんもこれから、お爺さまに会いにいったり芹澤くんとの絡みも増える… (4月22日 14時) (レス) id: 2a6843f9ca (このIDを非表示/違反報告)
ムスメ3(プロフ) - 待ってました!!!!ご自愛してね (6月19日 0時) (レス) @page31 id: fcb0ec653e (このIDを非表示/違反報告)
ネコ型ロボットだけど人っす(( - いや〜、主人公ちゃんが要石になってしまった…、こんなストーリーもいいもんですね!作者さんすげぇ、自分はこんな凄いの書けませんよ、そもそも思いつきすらしませんww私は書くよりも見る派なので!(?)これからも頑張ってください!応援してます! (2023年4月4日 16時) (レス) @page31 id: 3d37e04deb (このIDを非表示/違反報告)
RENA(プロフ) - すきです!!更新されるのを楽しみにしてます.がんばってください! (2023年2月5日 23時) (レス) @page31 id: a8ec99ccfe (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:萌娜 | 作成日時:2022年11月27日 21時

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