【小説】十人十色に咲け、十色咲学園。ｰ1stｰ (ページ29)

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第28話【エレア・ヘラスティーン】ページ29

「ん～？誰か居ますか？」

英語の時間が無くて、仕事の息抜きに廊下を歩いていると、美術室から声が聞こえた。

何かをしている女の子の様。

「こんな時に美術室？who？」

がらっと扉を開けると案の定、びっくりしてこちらを見た女の子…と妖怪。

この子は…何学年なんだろう？新米教師の私はまだ名前と顔が一致していない人が多い。

そしてイギリスと違う日本にも慣れてきた頃だけど、授業中に抜け出しOKなんてschoolないはず…。

まぁ、生徒さんが楽しそうなので怒りはしませんが！

「あ、先生…！」

「hello～。そちらの妖怪さんとお絵かきしてるんですか？」

「あれれ、怒らないんですか？」

「…いや～楽しそうにしてるんで今日だけ目を瞑っときますね！ですが、次からしっかり授業を受けるように！」

ニコッと笑うとほっとした顔になる女の子。
この子はなんていうんでしょう？
…あぁ、この学校のteacherとして失格ですね…。

「あの、先生？」

「sorry、あなたのお名前教えて頂けますか？」

「あやは一年一組の鎌倉彩です！こっちはお友だちのクーですよ！」

「一年一組の鎌倉さんとクーですね！Thank you very much！」

お礼をして美術室を後にする。
鎌倉さん…名前も顔もしっかり覚えました！

スキップしながら職員室に戻ると花石先生がいた。

「エレア先生、何かあったんですか？」

「おや、Ms.花石！あったんですよ～！」

新しい生徒さんの名前を覚えられて気分すごく上がってます～！
happyです！

嬉しくて仕事にあまりがつけられないままずっと、生徒名簿を見ていた。