【小説】十人十色に咲け、十色咲学園。ｰ1stｰ (ページ25)

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第24話　【神無月圭】【神無月瀬里】ページ25

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　神無月圭、職員会議欠席。

　今日も今日とて彼は、廊下で大欠伸をして皺だらけのシャツを着て。
　左薬指に銀色のリングをきらり、光らせながら廊下を歩く。

　「1時間目とか...だっりィな」

　ガキ共のお守りなんかもう嫌だってのに。

　悪態を吐いては溜め息を漏らす。

　「んで...？......うわ、1年とか面倒なのしか居ねェじゃん。だっる」

　保健室の喧騒を気にすることもなく。
　＿＿＿というかそれをBGMにしながら廊下を歩く圭。
　他人のことなど知らぬ存ぜぬ、である。

　そして能力強化の授業が行われる校庭に、ざっざっとアンニュイな足音を響かせながら向かった。

　＊＊

　「ひぇっ＿＿＿......大きな声やめてください...」

　がらり、保健室の扉を開けて入ってきたのは、情緒不安定少女、神無月瀬里である。
　ぴょこぴょこ跳ねる髪を揺らし、ヘッドフォンは外さずに。

　気だるげで、それでいてプライドのある＿＿＿"彼"と同じ目を細めた。

　「大体此処、保健室ですよね？どうなっているんですか、静かじゃないなんて。
　私のような情緒不安定が暴れだしちゃいますよどうしてくれるんです？
　............あ、私のような、なんて...居ませんよね。

　――――あぁっ、私...出過ぎたことを！......ふふ、御免なさい」

　ちょっと、良い香りがしたもので...よってしまいました。

　「私と同じ血の香りがしたもので...。
　香りに釣られて寄って、そして私は酔ってしまうのです＿＿＿ふふふ、上手いでしょう？
　"そういうこと"をする快感と犠牲は世界で2番目に分かっている自信がありますよぉ...！

　え？なんでかって？＿＿＿だって、ねぇ？」

　にひっという笑いと共に彼女はパーカーのポケットから手を出す。
　そこには切ったと言うより抉った、というのが正しい傷がいくつも。

　「...あっ私、香りに釣られて来ちゃったんです」

　同じ者同士、何か分かるかも～～～......なぁんちゃって。