第10話【尾崎真白】 ページ11
「ちょっと、雷獣。 早くしろよな。 本当にお前とろいな」
後ろからトコトコ付いてくる雷獣を一瞥して、ずんずん雷獣を無視して歩いていく。
本当にわたしの雷獣は遅い。鈍臭いし、アホだ。
少しだけ、雷獣の方を見て様子を見てみる。
雷獣は、少し落ち込んでいるのように見えて少し可哀想に思えた。
「雷獣、遅い。少し待っててあげるから早くして」
そう言うと、雷獣はピカーッと体に電気を巡らせ、トコトコトコトコ と小走りでわたしに駆け寄る。
その姿があまりに可愛くて、わたしの横に雷獣が来た瞬間、ギューっと抱きしめる。
「んー! 可愛いなぁ。雷獣は!」
雷獣は、嬉しそうに静電気程度の電気を流し「クー!」と鳴いた。
この可愛さは、学園でも有数だよな…。
雷獣を抱きかかえ、スマホの電源をつける。
「ヤバい。遅刻だ」
何、緩〜く雷獣と戯れてたんだろう。そんな暇ないのに。 雷獣を抱きかかえたまま走る。
「も、元はと言えばな!? 雷獣! お前がとろいからこうなってんだかんな!」
前を向いたまま、雷獣に叱咤を入れる。
悲しそうに鳴くから、思わず謝ってしまいそうだったが謝らずに走り続ける。
謝ったら、雷獣を甘やかしてしまうかもしれない。
あー! 雷獣ごめん!
そう心の中で叫びながら、学園に向かった。
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透明少女(プロフ) - 森のくまさんさん» 繋げてくれてありがとうございます! (2017年6月18日 2時) (レス) id: f62ecde1c9 (このIDを非表示/違反報告)
森のくまさん(プロフ) - 透明少女さん» りょーかいです。私は続編の方トップで描かせていただきました! (2017年6月18日 2時) (レス) id: e6afc3116a (このIDを非表示/違反報告)
透明少女(プロフ) - 訂正終わりました! (2017年6月18日 1時) (レス) id: f62ecde1c9 (このIDを非表示/違反報告)
透明少女(プロフ) - 後、自分の話見直して少し違和感あったので訂正させてもらいます! (2017年6月18日 1時) (レス) id: f62ecde1c9 (このIDを非表示/違反報告)
透明少女(プロフ) - *蝶葉*さん» 今度から気を付けます…。 (2017年6月18日 1時) (レス) id: f62ecde1c9 (このIDを非表示/違反報告)
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