今日:5 hit、昨日:0 hit、合計:1,653 hit
小|中|大
消えた六谷 ページ25
私は怪我も大したことがなかったため、すぐに退院することができた。
死に損ないに対して、クラスメイトからてっきり冷ややかな視線を向けられるか、腫れ物扱いかのどちらかだと思っていたが、そんなことはなかった。それは私の自意識過剰とかそういうことではなく、クラスに私の未遂よりも大きな変化が起きていたからだ。
出席簿から、何事でもないかのように、六谷の名前が消えていた。六谷が座っていた席は空席になっており、教室にぽっかり穴が空いたようになっていた。
どういうことかわからず、いつもの四人で集まった昼休みに聞いた。
「魁さんの今回の件で、ようやくいじめが露見した。魁さんがボイスレコーダーに録っていたデータなんかも、僕から提出した。……今更すぎるかもしれないけど」
「ろっくんがいじめの首魁は自分だって言って、それから自主退学したのよね」
何故。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます
3人がお気に入り
3人がお気に入り
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:瑠色 | 作成日時:2019年6月8日 2時