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事故物件って便利 ページ16
大家さんに事情を説明したら、六谷と四善の名前だけですんなり通った。
「ただ、すぐ工事に取りかかれるわけじゃないでしょう? 玄関の扉がないんじゃ、些か無用心じゃない?」
……確かに。
「それに同居してる男の子に襲われたんでしょう? 安心して眠れないんじゃない?」
むむむ……
「でも、あそこって事故物件だから人が寄りつかないんじゃないですか?」
「泥棒に事故物件も何もありやしないよ」
それも確かだ。
だが、私には私でできることがある。
「うーん、あの事故物件、本当に幽霊いるみたいなんですよね」
「それでよく住めるね」
「どうやら邪なやつにしか見えないらしく」
「なるほど」
「とりあえず、玄関の戸は板でもかけて、やり過ごしてみます」
「まあ、それでいいならいいけど……」
よし。
「あー、だからつっくんは勝負下着のオバサンの夢見たんだね」
……そういうことにしておこう。
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作者名:瑠色 | 作成日時:2019年5月20日 20時