胸の中に潜むもの ページ7
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自分の彼氏がモテるのは、うれしいことだって言う人がいるけど、私にはその気持ちはわからない。
おっぱと歩いてると、いつもすれ違う女性の目が気になってた。
おっぱを見つめる目。
それは、おっぱが私の彼氏になる以前から。
見た目がカッコいいからでしょ？
あなたたちの知らない素敵なところ、私はいっぱい知ってるんだから。
彼女としての、そんなささやかな自信を保ちたいのに、
すぐに自信が崩れそうになるのが、私の悪いとこだ。
木崎「隣の席に、女性だけの3人グループがいて、多分女子大生かな？
僕たちのことチラチラ見てたんですよ。ま、よくあることなんですけどね。ハハ」
木崎君はなんてことない風に話す。
木崎君の彼女になる人は、こういうのをサラリと聞き流せる人なんだろうか。
キャピキャピしてる女子大生たちが想像できる。
モヤっと、胸の中に何かが湧き上がる。良くない何か。
木崎「1人すごくキュヒョニヒョンに積極的な女の子がいてね…」
積極的…
大嫌いな言葉だ。
私に無いものだから。
木崎君の話はつまりは、
「ダメだよ、この人にはすごく可愛い彼女がいるんだから、って牽制しときました」
ってことと、
「それをきいてもなお、その彼女がしつこく連絡先を交換したがったのを、ヒョンは余裕の笑顔で断ってました。カッコよかった。」
ってだけだ。
何にも問題ない。
まったく、ない。
なのに、私の胸の中にいる何かはざわついてる。
『さっさとおっぱのものになってしまえばいいのよ』
そうなの？
そうなれば、もうこんな不安はないのかな。
木崎「ヌナ！Aヌナー？」
ハッと我に帰る。
「あ、ごめん、考え事してた。私の彼氏はモテるから嫌だな」
木崎「それはヒョンも同じでしょ？いつもヌナのことハラハラドキドキしてるよ(笑)」
「な、なに言ってんのよ」
木崎「ヒョンの気持ちはヌナと同じってこと。モテる2人なんだから、最強カップルじゃん」
「木崎君の単純なとこ、ちょっと救われる。ありがとう。」
って言ったら、
意味わかんないって、困ったように笑った。
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作者名：セナセナ | 作成日時：2019年5月13日 14時
