25.5話＿和睦の願い＿2 ページ10
するすると足袋をすべらせる江雪さんの後ろを歩く。
歩く振動に合わせてふわふわと波打つ白縹色のロングヘアは目を見張るほど美しかった。
刀剣男士の皆さんは、お怪我をされてもお手入れをすれば治るというから、お手入れをすれば身だしなみも整うのだろうか。
月光に照らされきらきらと光る髪の毛は絡まることを知らないようだった。
「・・・主、着きましたよ・・？」
左文字と書かれた札が上の柱と柱の間にかけられている部屋の前まで来ていた。
「・・・早く中へ入りましょう、宗三とお小夜がお茶を用意すると言っておりました。」
「・・・ありがとうございます・・！」
襖を開けて部屋の中へ入る。
宗三さんに、庭で転ぶところを助けて頂いて以来の左文字兄弟の皆さんのお部屋はやはりさっぱりとしていた。
必要最低限の物しか置かれておらず、本体を置かれた床の間は掛け軸が掛かっていた。
「どうぞ、座ってください。」
座布団を差し出してくださった江雪さんと向かい合うように腰を下ろした。
私が腰を下ろしたのとほぼ同時に襖が開いた。
「主、兄さん。・・・お茶を持ってきました。」
入ってきたのは宗三さんと小夜くん。
湯呑みをお盆にのせて運ぶ小夜くんと、布巾で挟んで急須を持つ宗三さん。
私と江雪さんの間に置くと、それじゃあ失礼します。と部屋から出て行った。
「あの、・・・お二人は大丈夫なのでしょうか・・・？」
「お小夜にも宗三にも、かつて同じ人間に仕えていた仲間がいます。きっと彼らの部屋にいるんだしょう。・・・大丈夫ですよ。」
江雪さんが静かに教えてくださった。
「・・・江雪さんはどのような歴史を歩んでこられたのですか・・・？」
早速話題を切り出した。
「・・・私は板部岡江雪斎のもとへ仕えていたことから江雪左文字と呼ばれます。
板部岡江雪斎のもとへ長らくいましたが、その後徳川家に献上されました。
・・・一般的な刀剣にすぎません。」
どこか一点を見つめながら、ゆっくりと話した。
「・・・江雪さんは、何か願うことはあるのですか・・・？」
どこか曇りが見える目を見つめ問いかける。
「・・・願い、ですか・・・・。そうですね・・・・。私は、刀であるのに・・・。
戦が嫌いです・・・。平和であれば・・・、和睦であれば・・・、良いと思いませんか？
私たちが生み出されたのは、戦で勝つため・・・・。分かっているのに・・・、
私が和睦を願ってはならないのに・・・。」
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暖（いっと）(プロフ) - lightらいすさん» いえいえ、こちらこそしてもらったから笑 (2018年1月7日 22時) (
レス) id: 0968e5e65f (このIDを非表示/違反報告)
lightらいす(プロフ) - 宣伝あざす……orz(土下座) (2018年1月7日 13時) (レス) id: 989c770060 (このIDを非表示/違反報告)
暖(プロフ) - 死音心音2.0さん» コメントありがとうございます！ありがたきお言葉です...!!これからも幸せを届けられるように頑張ります!!ありがとうございます!! (2017年10月13日 7時) (レス) id: cdcd4684fe (このIDを非表示/違反報告)
死音心音2.0(プロフ) - 主人公ちゃん、めっちゃ可愛いですなぁ(´∀`*)和睦とは、まさにこの事ですね！主人公ちゃんや刀剣達が幸せそうで、読んでるこっちまで幸せになります！これからも頑張って下さい！応援してます！ (2017年10月13日 0時) (レス) id: 05a35df7aa (このIDを非表示/違反報告)
暖(プロフ) - しろつめさん» コメントしてくださりありがとうございます！レスが遅れてしまい、申し訳ありませんでした。やっと更新ができそうです。一か月近くもすみませんでした。これからもよろしくお願いします！ (2017年9月1日 21時) (レス) id: 0968e5e65f (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：暖 | 作成日時：2017年8月2日 23時
