番外編＿主の美術授業！？＿ ページ8
鶴丸さんと宗三さんと花瓶を選び終える頃には既に日が沈んでいた。
兼さんのご兄弟と仰っていた歌仙兼定さんという方が風流や花瓶の柄などについて
詳しいらしいが、歌仙兼定さんにまだお話していない私を考慮してか、
三人でなんとか知恵を出し合った。
最終的に、私が中学の時に美術の授業で学んだ補色の関係を思い出して、
満作も花瓶もそれぞれの存在を引き出しあえるように、黄色い満作に対して青系の色の
花瓶を選んだ。
群青色のような色を下地とした花瓶は淡紅色の風が群青の空を舞っているような柄で、
私の提案に、鶴丸さん、宗三さんも気にいってくださり、満場一致で決められた花瓶だ。
鶴丸さんいわく、「歌仙が見つけたら変えられちまいそうだがな。」と。
そんな鶴丸さんを見て、宗三さんもおかしそうに微笑んだ。
花瓶を選んだだけで日が暮れてしまったので、厨の掃除は明日へ先送りになった。
私たちが厨を後にするのとすれ違うように、光忠さんが厨の中に入る。
「おお！光坊じゃないか！」
「鶴さんに宗三くんに主、何してたの？」
「お小夜が主に渡したという満作を飾る花瓶を探していたのですよ・・・。」
「流し台の窓のさんに飾っています。」
「ん？」
光忠さんはそういうと、窓を見つめた。
「ああ、あれだね！青い花瓶。」
「そうそう！どうだ？三人ともあれに心が惹かれてなぁ、光坊もいい感じだと思わないか？」
「うん！決まっていると思うよ、黄色い満作によく合うね。」
「・・・主が、・・・なんでしたっけ？」
「補色の関係です、ある二つの色を組み合わせると、お互いの色を
引き立てあう役割を持てるんです。」
私は棚にかかっていた、『暦』と書かれたカレンダーの端に、色相環のようなものを見つけた。
「あ・・・！これです。」
私は色相環の横に立ち、先生のように人差し指を使って色を指さす。
「なんだぁ？色が円形に敷き詰められているな。」
鶴丸さんが興味津々に色相環を見つめる。
「この円の中で、向かい合っている色同士が、補色の関係なんです。
・・・たとえば、この黄色、向かい合っているのは下の紫色ですよね？
この二色は、並べると両方目立って見えるんです。」
私の説明に、お三方はそれぞれ感心の声を漏らす。
「・・・なるほど、だから満作と花瓶はいい感じに見えるんだね？」
光忠さんの言葉に、皆で満作を見つめる。
光忠さんが夕餉を作りに来たことに気付くまで、鑑賞は続いたのだった。
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暖（いっと）(プロフ) - lightらいすさん» いえいえ、こちらこそしてもらったから笑 (2018年1月7日 22時) (
レス) id: 0968e5e65f (このIDを非表示/違反報告)
lightらいす(プロフ) - 宣伝あざす……orz(土下座) (2018年1月7日 13時) (レス) id: 989c770060 (このIDを非表示/違反報告)
暖(プロフ) - 死音心音2.0さん» コメントありがとうございます！ありがたきお言葉です...!!これからも幸せを届けられるように頑張ります!!ありがとうございます!! (2017年10月13日 7時) (レス) id: cdcd4684fe (このIDを非表示/違反報告)
死音心音2.0(プロフ) - 主人公ちゃん、めっちゃ可愛いですなぁ(´∀`*)和睦とは、まさにこの事ですね！主人公ちゃんや刀剣達が幸せそうで、読んでるこっちまで幸せになります！これからも頑張って下さい！応援してます！ (2017年10月13日 0時) (レス) id: 05a35df7aa (このIDを非表示/違反報告)
暖(プロフ) - しろつめさん» コメントしてくださりありがとうございます！レスが遅れてしまい、申し訳ありませんでした。やっと更新ができそうです。一か月近くもすみませんでした。これからもよろしくお願いします！ (2017年9月1日 21時) (レス) id: 0968e5e65f (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：暖 | 作成日時：2017年8月2日 23時
