孤児院出身の少女がブラック本丸の審神者になるそうです。二巻【刀剣乱舞】

24.5.5.5話＿魔王の刻印＿4 ページ7

「・・・主は素敵な人ですね・・・。」

顔を傾けて優しく微笑む宗三さんに私もたまらず微笑む。

「・・・『愛』の形、なのかもな・・・。」

鶴丸さんが、厨の換気扇代わりにあけられた小窓から見える景色を見つめた。

「・・・そうですね。
　・・・ですが宗三さん。今のあなたは人間です。
　心があります。言葉で伝えて、行動や表情で表すこともできます。
　・・・どうか、これから少しでも宗三さんとして生きていけるように、
　私には気兼ねなくお話ししてくださいね。」

あと半分ほどになっていた自分の分の煎餅を食べ、少しぬるくなったお茶を飲み干した。

「ええ、ありがとうございます。」

宗三さんは先ほどよりも明るく微笑んだ。

「さて、俺にも風流はよく分からんが、あの小さな湯呑みでは満作が可哀想だ！
　・・・どうだ？主に話したことで少しは気持ちが変わったんじゃないのか？」

鶴丸さんがいつものいたずらっぽい笑みで宗三さんを見る。

「・・・しょうがないですね、ほら、主も一緒に選びましょう。」

宗三さんが流れるように私の腕を掴んだ。

「・・・はい！」



「そうだ、花瓶を出したついでに、厨の掃除もしないか？」

「いいですね・・！」

「はぁ、はたして今日は床に付けるのでしょうか・・・。」

「大丈夫だ！三人もいれば終わるだろう！」

「そ、宗三さんもお手伝いして頂けますか？」

「どこかの魔王の犬ではありませんが、主の命であるならば従いますよ。」



宗三さんが持つ闇も、小夜くんが持つ闇も、私には計り知れないけれど

少しでも、軽くなったのなら嬉しいな。

でも、私がそんな簡単に言えることでもない。

・・・また、国広さんにも、小夜くんにも、宗三さんにもお話ししてみよう。

もちろん、これから出会う皆さんにも。





ーーー
暖です！

続編、宗三さんのお話、遅れてすみませんでした。

あっという間に、一巻では60000hit突破、二巻では過去最高203位、
お気に入り登録ではすでに一巻を超える勢いで、本当にありがとうございます！！

これからも一層頑張りますので、よろしくお願いいたします！

暖

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