24.5.5話＿魔王の刻印＿3 ページ6
私を見上げた宗三さんは苦しそうに眉を潜めていた。
「・・・僕の歴史は、大体はこうです。
・・・どうせ離すなら、わざわざ刻印など入れてほしくなかった・・・！
いつだって、人間は僕を見ない。
織田信長の印の呪いが、人間たちを狂わす・・・。
欲しがられて、とられて。
人間とはこうも汚いものなんですか・・・？」
尚も苦しそうに言葉を紡ぐ宗三さん。
「・・・・少し、俺と似ているかもな。」
ぽつり、と呟いたのは鶴丸さん。
ここにきて、いつも気丈に振る舞っていた鶴丸さんは低く落ち着いた声と共に儚い表情をしていた。
消えてしまいそうなくらい、どこかに行ってしまいそうなくらい・・・。
「・・・鶴丸さんのお話も、お聞きしますね。」
「ああ、今度な。」
私の言葉にいつもの調子が少し伺えて安心する。
「・・・宗三さんは、ずっと誰かに欲しがられていたのですね。」
「・・・・ええ、そうかもしれませんね・・・」
「・・・・刀剣であるとして、使われない事ほど苦しいことは無いと思います。
私は分からないから、上から目線のようになってしまいますが・・・」
宗三さんの目をしっかりと見つめる。
刀剣として、人間に『物』として扱われる気持ちは私は分からない。
孤児院にいたころ、周りの人間達から『物』のように見えていたのかもしれないけれど、
私は人間であって、物じゃない。
「私は安易な考えしか持てない人間です。・・・たとえ、審神者になる前の扱いが、皆さんが
前任の方と過ごした時の扱いと似ていて、皆さんから近い立場にいるのかもしれませんが、
私も織田信長公や、豊臣秀吉公、この本丸の前任の方と同じ人間です。
人間としてみれば、宗三さんは戦場に出したくないほど大切だったのかもしれません。
・・・今川義元公から宗三さんをとった時、信長公にとって、宗三さんは
『今川義元の愛刀』だったのか、『宗三左文字という一つの刀剣』だったのかは、
私にはわかりません。
・・・でも、人間とは、大切なものは綺麗にしておきたいという欲があります。
宗三さんは数々の名将にとって、どんな姿になっても大切にしたかったのでは
ないのでしょうか。」
宗三さんに、少しでも伝わるように。
人間だからと偉そうにしないで、言葉が届くように。
「・・・そうですか・・・。」
私の言葉をどのように受けとったのかは分からないが、宗三さんは眉尻を下げて微笑んだ。
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暖（いっと）(プロフ) - lightらいすさん» いえいえ、こちらこそしてもらったから笑 (2018年1月7日 22時) (
レス) id: 0968e5e65f (このIDを非表示/違反報告)
lightらいす(プロフ) - 宣伝あざす……orz(土下座) (2018年1月7日 13時) (レス) id: 989c770060 (このIDを非表示/違反報告)
暖(プロフ) - 死音心音2.0さん» コメントありがとうございます！ありがたきお言葉です...!!これからも幸せを届けられるように頑張ります!!ありがとうございます!! (2017年10月13日 7時) (レス) id: cdcd4684fe (このIDを非表示/違反報告)
死音心音2.0(プロフ) - 主人公ちゃん、めっちゃ可愛いですなぁ(´∀`*)和睦とは、まさにこの事ですね！主人公ちゃんや刀剣達が幸せそうで、読んでるこっちまで幸せになります！これからも頑張って下さい！応援してます！ (2017年10月13日 0時) (レス) id: 05a35df7aa (このIDを非表示/違反報告)
暖(プロフ) - しろつめさん» コメントしてくださりありがとうございます！レスが遅れてしまい、申し訳ありませんでした。やっと更新ができそうです。一か月近くもすみませんでした。これからもよろしくお願いします！ (2017年9月1日 21時) (レス) id: 0968e5e65f (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：暖 | 作成日時：2017年8月2日 23時
