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33話 ページ35

畳の上で向かい合ってかるたの取り札を並べていた蘭と和葉は、子供たちが電話を切るのを見て、顔を見合せる。

蘭「お父さんたち、遅いね」
和葉「平次もまだ一緒なんやろか?」
蘭「そんなに気になるんなら、電話してみたら?」
和葉「せ、せやね」
スマホを取り出して立ち上がると、次の間へ歩きながら電話をかける。


細い道を照らす街灯の下で、服部はバイクを停めて立っていた。ポケットの中のスマホが震える。

服部「何や、和葉」
和葉「何ややないわ。こないな時間までどこほっつき歩いてんねん」
京都にいてることを告げると、
和葉「えっ、京都!? どういうことなん?!」
服部「悪いな。野暮用で今日は送れそうにないから、先に帰っといてくれ」
和葉「何やのんそれ! かるたの特訓付き合うてもらお思ってたのに!」
服部「特訓!?」
和葉「アタシが未来子の代わりにかるたの試合に出ることになったんや」
服部「お前、かるたの試合なんて出たことないやないか」
和葉「そやから特訓するんやないの。子供の頃、平次、かるたやってメッチャ強かったやろ?」
服部「そう、ゆうたら、小学校ん時、どっかのかるた大会に飛び入り参加したことあったなぁ」
和葉「平次、いきなり優勝してもうたからビックリしたわ」
服部「昔のこっちゃ、よう覚えてへんわ」

優勝して賞状を貰ったのは何となく記憶にあるくらいで・・・


和葉「アタシは、よう覚えてるで」

飛び入りしたかるた大会では次々と勝ち進み、決勝戦も大差つけて勝ったのだ。賞状を掲げて嬉しそうに笑う平次を、今でもはっきりと覚えている─・・・

和葉「未来子から部員たのまれたときも、まっさきに頭に思い浮かんだんは、そのときのことやってもん・・・」
服部「ほぉ〜
で、昔話は終わったんか? そろそろ切るで」
服部「何やのっ、その言い方!」

自分と服部の気持ちに温度差を感じて、和葉は腹を立てる。

和葉「アタシとの電話、そんなに早よ終わらせたいんか?」
服部「そんなこと言うてないやないか?」
和葉「ヘイヘイッ。平次なんておらんくても大丈夫や!」
服部「はぁ?! どないしてん?」
和葉「もうええ! 平次のドアホ!」

スマホに向かって怒鳴りつけると電話を切る。その声に驚いて、蘭や子供たちは和葉の方をのぞき込む。

和葉「もぉ〜、何やねん。平次・・・」
寂しそうに呟くと、ため息を零した。

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設定タグ:名探偵コナン , 劇場版   
作品ジャンル:アニメ
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ゆん(プロフ) - オリキャラカップル大好きなんです!作ってくださりありがとうございます!! (2022年1月18日 18時) (レス) @page2 id: 565e409edc (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:togetumizu319 | 作成日時:2018年4月30日 11時

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