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pink side〜
黄「ちょ、………海斗くん…!?」
なんてしずの焦ったような声が聞こえてきて。
赤「…っ、」
大きな音が苦手なちゃかが嫌そうに耳を塞いだ。
桃「ごめんねぇ、ちゃかちゃん。ちょっと和室行こっか、」
ちゃかちゃんが落ち着ける和室へ行けば、お気に入りのタオルケットに丸まった。
こういう時のちゃかちゃんは一人にした方が良いし、しずが大きな声を出したことも気になるし。
桃「ちょっと、様子見に行ってくるね?」
こくん、と小さく頷いたちゃかちゃんの頭を撫でてから、声のしたキッチンへ向かう。
.
キッチンは、はっきりいって最悪だった。
冷蔵庫に入っていた筈の物が殆ど床に散らばっていて、海斗くんの手にはキャベツが握られていて、少し食べたのだろう、キャベツには齧られた痕があった。
桃「…わ、あぶな、」
海斗くんの近くには、生の魚とか、お肉とかも落ちていて。
急いで、生で食べちゃうといけないものを回収して、海斗くんがとれない高さのカウンターに上げた。
俺が海斗くんに近づいた事に驚いたのか、ビクッと身体を震わせて、自分で自分の身体を抱きしめるようにして丸まってしまった海斗くん。
桃「…ぁれ、元太くんは、?」
黄「さっきまで二人ともリビングに居て、俺がトイレ行ってる間に、海斗くんが冷蔵庫荒らしちゃったって感じ、…多分、リビングにいるはず、」
桃「…おれ、元太くん見てくる、」
お願い、としずに頼まれて、俺はリビングへ戻った。
.
桃「…へ、わっ、」
リビングへ戻れば、元太くんが蹲っていて。
お腹を庇うようにして、身体を丸めているから、きっと、お腹が痛いのだろう。
あれだけの量を1度に、しかもあんなに早く平らげてしまえば、お腹もびっくりしちゃうのなんて目に見えていたはず。
桃「…だいじょうぶ?…お腹痛い?……薬のむ?」
なんて言っても返事もしてくれず。
取り敢えず、子どもでも飲める胃腸の薬と、ペットボトルの水を近くに置こうとすれば、パッと俺から離れるようにして逃げてしまった。
睨みつけるように俺を見るその瞳は、“どっか行け”と言っているように感じた。
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猫(プロフ) - 紗彩さん、こんばんは!そうです。前にマシュマロが送れなかった猫です(恥)更新ありがとうございます!これからも無理なく頑張って下さいねー! (2022年6月8日 20時) (レス) id: f376f4b930 (このIDを非表示/違反報告)
紗 彩(プロフ) - 猫さん» ありがとうございます…!ソラノムコウも一緒に楽しんで下さって何よりです!これからもお付き合い頂ければ幸いです!!(この前にコミュ下さった方かな……違ったら申し訳無いです…) (2022年6月8日 20時) (レス) id: f7d9789c70 (このIDを非表示/違反報告)
猫(プロフ) - ソラノムコウと共に楽しく読ませて頂いてます。更新無理せず頑張って下さい。応援しています! (2022年6月2日 17時) (レス) id: f376f4b930 (このIDを非表示/違反報告)
紗 彩(プロフ) - genさん» コメントありがとうございます!更新頑張っていきますので、お付き合いいただければ幸いです! (2022年5月26日 22時) (レス) @page13 id: f7d9789c70 (このIDを非表示/違反報告)
gen(プロフ) - これから松松がどうなっていくのか続きが楽しみです! (2022年5月26日 19時) (レス) id: 2b5061a1a9 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:紗彩 | 作成日時:2022年5月15日 21時