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 「期待してる。ちゃんと告うから待ってて、Aちゃん」と最後に私の頭に手を置いた彼は、体育館の奥へと走っていった。暫く動けなくて呆然としてしまった。


 ──── ちゃんと告うから待ってて



「……嘘でしょ……」


 どうにかこうにかアルバイト先に到着し、卵を陳列していた時に先程の天元くんの言葉がフラッシュバックした。そしてその瞬間、私はまた卵を落として割ってしまった。しかし申し訳ないが、卵どころではない。(卵さんごめんなさい)
 ……これって告白の予約ではないか!!と私はその場で膝から崩れて尻餅をつき、バイトリーダーの先輩に心配され早退する羽目になってしまった。
 ……な、な、なんてこったい!!
 夜ご飯のオムライスは胸がドキドキしてしまって、殆ど食べれずお母さんに心配をかけてしまった。しかし、冷静な自分も少しだけいて、早速何を作ろうかとスイーツのレシピを検索にかけた。
 ブラウニー、カップケーキ、生チョコレート、チーズケーキ、ガトーショコラと多くのスイーツが液晶画面を埋める。
 どれもこれも美味しそうだが、それよりもきっと天元くんのことだから何を贈っても、「ありがとう」と笑ってくれるんだろうな。


「────好き」


 自然と言葉にしていた。早くこの気持ちを伝えたくなった。抱きしめて欲しいし、たくさん笑って欲しい。好きで、好きで、大好きだ。


「A!A!」
「え?って杏!ノックしてって言ってるじゃん!」


 急に名前を呼ばれ、窓に顔を向ければベランダには杏がいた。杏はいつもこうやって急に来るから困る。


「すまん!忘れてしまった」
「もう」
「A、今年のチョコは」
「ごめん、杏。今年は作れない」
「……作れない?」
「うん。ちょっと」
「何故、作らない、ではなく、作れないなんだ?」
「何でもいいでしょ」
「……Aは」
「ほら!明日も朝練でしょ!早く部屋帰って」


 「A」と何かを言いたげな杏を遮り、早く部屋に戻れと冷たく追い払った。

 ──── 何故、作らない、ではなく、作れないなんだ?

 杏は昔から、勘だけは鋭かった。きっと杏は私が今年チョコを作れない理由を察してしまったんだろう。けれど、それの何が悪いんだ。杏はただの幼馴染だ。それ以上でも以下でもない。私が気にすることでもない。
 けれど、あんなに寂しそうな杏の顔を見たのは初めてで、翌日になってもその次の日になっても目に焼き付いて離れなかった。

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設定タグ:鬼滅の刃 , 宇髄天元 , 煉獄杏寿郎   
作品ジャンル:恋愛
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三月の専属ストーカーなつめみく - れんごくさんがむせるとよもっ、って可愛すぎて一人で悶絶するわ (10月25日 16時) (レス) @page3 id: ba14ff85c6 (このIDを非表示/違反報告)
(プロフ) - ひよさん» ひよさん、またお会いできて本当に嬉しく思います、そしてコメントもありがとうございます(;_;)天元様と夢主のキラキラして輝く瞬間と2人の葛藤を書けていけたらな、と思っております。ゆっくりではありますがお付き合い頂けると嬉しいです!よろしくお願い致します! (2022年5月5日 18時) (レス) id: 1ceb99e799 (このIDを非表示/違反報告)
ひよ(プロフ) - 蓮さま、新作ありがとうございます!! 学校のアイドル、天元さまは似合いますね♡ 純な夢主ちゃんと天元さまの恋がどう進むのか楽しみです。更新はどうか、無理のないペースで!! (2022年4月29日 20時) (レス) @page7 id: a2712468ed (このIDを非表示/違反報告)

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作者名: | 作成日時:2022年4月24日 14時

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