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「────A!Aはいるか!」


 また来たな、と声の方へ振り向けばもうすぐそこ、凡そ三十センチ程のところに幼馴染であるB 組の煉獄杏寿郎がいた。距離感が可笑しいことが杏の特徴である。そして私は昔から杏と呼んでいる。理由は短くて楽だからだ。異論は認めない。


「一緒に弁当を食べよう。今日は母さんの卵焼きが入っているんだ」


 「Aも好きだろう」と優しい笑みを浮かべる杏。家族を大切にするちょっとした彼の一面は素敵で尊敬するところだ。


「杏、友達ちゃんといる?」
「いるぞ。でも今日は昼休みに部活でミーティングがあると言っていた」
「この前もそう言ってなかった?」
「む。Aは俺と弁当を食べるのは嫌か?」
「違うよ。幼馴染がぼっちなんじゃないかと少し心配になっただけです」
「むう!」


 頬を少し膨らませる杏に、ごめんごめんと言いつつ友達に行ってくる、と手を振った。
 私たちはいつも廊下にある備え付けのベンチで食べている。窓から入るお日様がぽかぽかしていて私は地味に気に入っている。


「杏、卵焼きちょうだい」
「ああ。いっぱい食べてくれ」
「杏のがなくなっちゃうよ。今日も部活でしょ?ちゃんと食べないと」
「Aは心配性だな。ありがとう」


 「いっぱいあるから大丈夫だ!」と杏は私のお弁当箱の蓋の上に、五つも卵焼きを置いてくれた。杏のお母さんの甘い卵焼きが大好きな私は、申し訳なさを感じつつもお言葉に甘えて美味しく頂いた。
 美味しい、と杏に笑えば笑い返してくれる。杏の笑顔は本当に素敵だ。そう改めて思っていれば、少し近くから女子生徒達の甘い声が聞こえてきた。恐らくこの声は宇髄くんに違いない。


「宇髄くん人気凄いなあ」
「……Aも宇髄が好きか?」
「そういうのじゃないよ。ただ単純に人気だなってだけだよ」


 「そうか」と大きなしゃけの切り身の混ぜご飯を掻き込んだ杏は、慌てて掻き込んだせいか咽せてしまって「よも、よもッ」と苦しそうにしていた。どこか新鮮で可愛らしいその姿に小さく笑いながら、お茶飲んで、と水筒を手渡した。

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設定タグ:鬼滅の刃 , 宇髄天元 , 煉獄杏寿郎   
作品ジャンル:恋愛
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三月の専属ストーカーなつめみく - れんごくさんがむせるとよもっ、って可愛すぎて一人で悶絶するわ (10月25日 16時) (レス) @page3 id: ba14ff85c6 (このIDを非表示/違反報告)
(プロフ) - ひよさん» ひよさん、またお会いできて本当に嬉しく思います、そしてコメントもありがとうございます(;_;)天元様と夢主のキラキラして輝く瞬間と2人の葛藤を書けていけたらな、と思っております。ゆっくりではありますがお付き合い頂けると嬉しいです!よろしくお願い致します! (2022年5月5日 18時) (レス) id: 1ceb99e799 (このIDを非表示/違反報告)
ひよ(プロフ) - 蓮さま、新作ありがとうございます!! 学校のアイドル、天元さまは似合いますね♡ 純な夢主ちゃんと天元さまの恋がどう進むのか楽しみです。更新はどうか、無理のないペースで!! (2022年4月29日 20時) (レス) @page7 id: a2712468ed (このIDを非表示/違反報告)

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作者名: | 作成日時:2022年4月24日 14時

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