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第二戦 「雪の冷淡男」 ページ9

(もしかしたら海斗が勝つんじゃないか…)


さっきまで藤弥に挑んでいた宗宏はそう思った

自分と同じチームに入っている海斗が勝てばそれは嬉しいが

さっきはあんなに強かった藤弥が海斗にこんな簡単に倒されてしまうのかと

すこしやるせない気持ちが生まれた


「こんな状態で言うだけどなんで藤弥は海斗に直接的に反撃しないのよ」


藤弥と海斗が向かい合っている場所から少し離れた場所で架奈が呟いた

それに返事を返したのは二人の戦いを興味無さそうに

教卓の上に偉そうに腰をおろしていた大和だった

彼は劇の台本に目を通しながらけだるそうに呟いた


「海斗に今の藤弥がこの状態を打破出来るランキングがないからやろ

海斗のもつランキングで悪い印象のもんなんてそうないしな」


そう言うと教卓から降り、同じく台本を呼んでいた桜の方に歩いて行った


「この戦いに興味はないし、別の所でセリフ読みしよか〜、主役の光君」

「…分かった」


少し不機嫌気味に桜は返事を返して大和に付いて行くことに

大和は教室を出ようとしたところで思い出したように振り返り

教室を眺めて言った


「はよその不毛な争いやめて来ぃや、葵上と六条御息所

他の役連れて先練習しとるし」


そう二人に言うと劇に出るメンバーを連れて別の教室に向かった

 クラスでの舞台演目では演劇をすることになっており

演目は「源氏物語」となっている、主役は桜なので男女逆転仕様になっている

藤弥は主人公光君の婚約者の葵上、大和は光の従姉、朝顔

海斗は光と関係を持った者の一人である六条御息所

 海斗の以外な反応をどう思ったのか、焦りまくりだった藤弥は冷静を取り戻したようだった

そして藤弥が反論を口にしようと口を半分開けたところで海斗が先に言葉を発した


「僕の負けでいいよ」

「はっ」

気の抜けた声を発したのは誰かは分からない

藤弥は口を閉じたまま鳩が豆鉄砲食らったような顔をしている


「どうせ、藤弥は僕を負かすランキングを言うだろう

…言っただろ、最初から勝つ気はないんだ」


釈然としてない者が沢山いるようだが藤弥は簡単に海斗の降参に応じた


「ああ、勝負を止めるも続けるも挑戦者の自由だ」


淡く微笑むと机に置いていた台本を手に取り大和たちの後を追った

海斗もそれから少し遅れて後を追う

 それからは平和に学園祭の準備が続いた

第三戦 「祈る少女」→←第二戦 「雪の冷淡男」


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緋寄@紅鬼姫(プロフ) - 紫陽花さん» コメントありがとうございます。はい、僭越ながら参考させて頂いています。 (2016年12月10日 23時) (レス) id: a5647f01ce (このIDを非表示/違反報告)
紫陽花 - これってよとしち学園の漫画を参考にしていますか? (2016年12月5日 22時) (レス) id: 3aaa89a69c (このIDを非表示/違反報告)
緋寄@紅鬼姫(プロフ) - サシャさん» 見ためヤンキーw3人でたまってたら寄りつき難いでしょうねw (2016年7月27日 21時) (レス) id: 1715c75c22 (このIDを非表示/違反報告)
サシャ - ありがとうございます!この3人は見た目だけヤンキー(笑) (2016年7月19日 0時) (レス) id: d7042e5317 (このIDを非表示/違反報告)
緋寄@紅鬼姫(プロフ) - サシャさん» 「物語」か「後夜祭」でほのぼのはやります!後夜祭では都道府県たちの演劇と模擬店などの様子をやるのでおそらくその時にしますね! (2016年7月17日 20時) (レス) id: 1715c75c22 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:紅鬼姫 | 作者ホームページ:https://twitter.com/Enphnium  
作成日時:2016年4月30日 21時

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