終章 「首都、地方と共にあらん」 ページ41
「藤弥くん!こっちだよヨ!」
藤弥たちも校庭に向かってそれぞれ別行動になったのだが
彼はすぐに湾に捕まって後夜祭の模擬店を回っていた
「テンション高いですね、俺はすでにヘトヘトですよ」
「それは別件でしょ!ほら約束だったよね!?」
「そうですけど…」
腕をひかれ渋々ながらも湾について行く藤弥
その時すれ違った生徒に藤弥は視線を奪われた
絹のようなさらさらと揺れる短い黒髪
知っている誰かを連想するような美しい横顔、細い体
そして気品に満ちた歩く姿
「…!」
藤弥はそんな彼に誘われるように湾の腕を振り払い彼の元に走った
「藤弥くん!?」
驚きを隠せない湾だったがすぐに藤弥の異変を察した
藤弥の想い人の桜、そして梅に似た彼を見つけたからだ
「
中性的な声が藤弥の耳に届く
女性にしては低いような、男性にしては高いようは不思議な声
その声はアーサーと出店を周っていた桜に向かっていたものだ
アーサーはその彼を知らないようで鋭い眼差しで睨みつけた
桜は一変、目を見開いて驚きを見せたあとは言葉にしがたいような苦そうな顔をした
「は、
桜の驚いた声にアーサーは桜を見たあと再び彼の方を見た
そして驚いた、彼は自分の隣にいる彼女とそっくりだったから
「久しいなあ、桜ちゃん、御兄ちゃんって呼んでって言ったのにぃ
義兄様でも譲歩してあげよう!」
気品あふれる姿と声からは想像のつかないような気の抜けた話口調
桜は嫌そうに口元をひくつかせると、溜息をつき、アーサーの方を見た
「紹介します、彼は――」
「御兄ちゃん」
「お兄さまは耀さんの家の洛陽の化身、浩然です
…お兄さま、こちらは私の彼氏のアーサー会長です」
御兄ちゃんと呼んでくれない桜に向かって子供らしく頬を膨らませる浩然
「まあ、知ってるけど、耀から話は聞いてます、アーサーさん」
「そ、そうか」
アーサーは少し身を引いた、名前的にだいたい察しはついていたが耀の家の者と言うことは
「浩然さん!」
「げっ、浩然お兄さま…」
藤弥は3人の元に駆け寄ってきた、そしてたまたま近くにいた梅も顔をしかめている
アーサーはまた驚いた、日本クラスで最年長の梅がお兄さま呼び
そして国たち以外にはさん付けしない藤弥がさんづけ
「彼は元首都で私や梅の元になった方なので容姿が若干似ています」
アーサーは顔を真っ青にして浩然を見据えた――
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緋寄@紅鬼姫(プロフ) - 紫陽花さん» コメントありがとうございます。はい、僭越ながら参考させて頂いています。 (2016年12月10日 23時) (レス) id: a5647f01ce (このIDを非表示/違反報告)
紫陽花 - これってよとしち学園の漫画を参考にしていますか? (2016年12月5日 22時) (レス) id: 3aaa89a69c (このIDを非表示/違反報告)
緋寄@紅鬼姫(プロフ) - サシャさん» 見ためヤンキーw3人でたまってたら寄りつき難いでしょうねw (2016年7月27日 21時) (レス) id: 1715c75c22 (このIDを非表示/違反報告)
サシャ - ありがとうございます!この3人は見た目だけヤンキー(笑) (2016年7月19日 0時) (レス) id: d7042e5317 (このIDを非表示/違反報告)
緋寄@紅鬼姫(プロフ) - サシャさん» 「物語」か「後夜祭」でほのぼのはやります!後夜祭では都道府県たちの演劇と模擬店などの様子をやるのでおそらくその時にしますね! (2016年7月17日 20時) (レス) id: 1715c75c22 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:紅鬼姫 | 作者ホームページ:https://twitter.com/Enphnium
作成日時:2016年4月30日 21時