最終戦 「屋烏の愛」 ページ39
「…不毛だろ……
私はアーサーさんが好きなのにそんな奴を好きでいても不毛なだけだ！
時間の無駄なんだよっ、私なんか面倒くさい性格してヤンデレ予備軍とか
メンヘラとか影で言われてるし、それなのになんでそんな数百年も片思い出来るんだよ！
…そりゃ、今の言葉はブーメランだけどもっ……！
だからっ…私のこと嫌いになって欲しかった…
私を、見損なって、失望して欲しかった
藤弥にも…那綺にも、……大和にも」
言葉を詰まらせ必死に言葉を発する桜
桜は自分を好きになった者をちゃんと把握していたからこそ
自分を嫌いになって欲しいと思っていた
「那綺を嗾けたのも…大和と喧嘩して見せたのも
藤弥を嫌いって言ったのもっ！！全部っ
そのためなんだよっ！！！」
再びしゃがみこんだ桜は唸るように言葉を発し続ける
周りの者たちは唖然として桜を見ている
「なのになんでキスなんかするんだよ
なんでそんなに取り乱すんだよ…
なんで………そういうとこ嫌いになれへんねん」
最後の一言は自分への言葉だった
そして桜の真意だった
どれだけ憎いと言って突き放しても
酷いことをして嫌われようとしても、自分を好きで居続ける
そんな彼らを嫌いになろうとしても嫌いになれない
という意味の言葉だ
「……そうか」
それだけ呟いた藤弥の目から一筋の涙が零れた
それに全員が驚き目を見開いた
「お前から嫌い以外の言葉を初めて貰った
ずっと桜は俺のこと嫌いだと思ってたから」
「あ、アホじゃないん！？そんなんで泣くなやっ！！」
涙がたまりボロ泣きの藤弥に悪態をつきながらハンカチを投げつけた
それで流れ続ける涙を必死に拭き続ける
「好きの反対は無関心か…」
「なんやのそれ？」
「知らない？ベクトルだよ
好きと嫌いは反対の言葉じゃない
両方とも相手をどんな感情だろうと関心を持っている
関心が無ければ相手をなんとも思わない
桜は藤弥に対して無関心になれなかった
どんな感情だろうと桜の心には藤弥が存在している」
架奈は淡々と説明しながらもその声をだんだんと弱らせて行った
大和はその様子を敏感に読み取り、あえて架奈に会話をふる
「へーそうなん、で、なんで藤弥は泣いとんの？」
「AKYも大概にしろよ、人一倍人の感情読み取るの得意な癖に…」
顔を伏せて低い声で呟く架奈に大和はふざけるように笑ったあと
まるで別人のように真剣な顔であの二人を見た
「嫌いやわぁ……」
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緋寄＠紅鬼姫(プロフ) - 紫陽花さん» コメントありがとうございます。はい、僭越ながら参考させて頂いています。 (2016年12月10日 23時) (
レス) id: a5647f01ce (このIDを非表示/違反報告)
紫陽花 - これってよとしち学園の漫画を参考にしていますか？ (2016年12月5日 22時) (レス) id: 3aaa89a69c (このIDを非表示/違反報告)
緋寄＠紅鬼姫(プロフ) - サシャさん» 見ためヤンキーｗ３人でたまってたら寄りつき難いでしょうねｗ (2016年7月27日 21時) (レス) id: 1715c75c22 (このIDを非表示/違反報告)
サシャ - ありがとうございます！この3人は見た目だけヤンキー(笑) (2016年7月19日 0時) (レス) id: d7042e5317 (このIDを非表示/違反報告)
緋寄＠紅鬼姫(プロフ) - サシャさん» 「物語」か「後夜祭」でほのぼのはやります！後夜祭では都道府県たちの演劇と模擬店などの様子をやるのでおそらくその時にしますね！ (2016年7月17日 20時) (レス) id: 1715c75c22 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：紅鬼姫 | 作者ホームページ：https://twitter.com/Enphnium
作成日時：2016年4月30日 21時
