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最終戦 「屋烏の愛」 ページ35

清水寺の舞台に上がった頃には日は山に沈みかけていた

秋の夕焼けに紅葉した紅や黄色の葉がとても綺麗に溶け込んでいる


「最後になりそうね

清水は言わずも知れた観光地ね

源義経が修行したと言われている鞍馬山(くらまやま)の鞍馬寺や

聖徳太子信仰の寺である広隆寺(こうりゅうじ)とともに平安京遷都以来からの歴史を持つ建造物

 清水の舞台から飛び降りる、という諺もあるわ

願掛けで飛び降りをするのだけど舞台の高さはビルの四階分なのだけど

それでも約二百人が飛び降りたと言われているわ

でも、生存率は約85%で結構高いけど……

そして願掛けの内容は恋愛だったりと女性が多かったの

けど明治には飛び降り禁止令が出されて収まったわ」


木の手すりに乗っている紅葉の葉を地面に向けてヒラヒラと落としながら清水の蘊蓄を語った


「桜もここから飛び降りてみようとか考えたことあるのか?」

「ええ、けどもう別の場所で飛び降りたからいいわ」


確かに桜は学園の屋上で飛び降りを――

そう思った時、俺はふと冷静に考えた

なんで俺はここにいる?なんで桜とのんびり観光しているのか

俺は何をしていた…?


「所詮は願掛けなのにせずにはいられない

それが人の性ってやつなのよ

人の存在が私たちの存在に関係している以上、人間と同じ感性であり続ける」


俺が考えことをしている間にいつの間にか桜は俺の目の前まで迫って来ていた

顔をつき出し、俺の表情を観察している


「藤弥が私を好きで居続けるのもそれのせいってこと」


桜の言葉に俺は目を見張った

そして桜は俺の手に触れ、優しく言うのだ


「さあ、藤弥もここから飛び降りな

でもって願掛けでもしなよ、私に振り向いてもらえますようにって!」


俺と突き飛ばし、手すり側に追い詰める

桜が本性を現したように黒い笑みを俺に向けている

けど、俺の体はなぜか石のように固まり自由に動かすことが出来ない


「私の勝ちや、藤弥

……ずっと恨んで来た

お前がしたことは絶対にゆるさんで、首都の座は返してもらうわ」


桜はもう一度俺の肩を押した

俺の体が後ろに揺れる








『藤弥っ!!!』









誰かの声に俺は目を覚ますような感覚を覚えた

手すりを強く握り、下に落ちるのを防いだ

固まっていた体は自由を取り戻し、俺は桜に近づいた

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緋寄@紅鬼姫(プロフ) - 紫陽花さん» コメントありがとうございます。はい、僭越ながら参考させて頂いています。 (2016年12月10日 23時) (レス) id: a5647f01ce (このIDを非表示/違反報告)
紫陽花 - これってよとしち学園の漫画を参考にしていますか? (2016年12月5日 22時) (レス) id: 3aaa89a69c (このIDを非表示/違反報告)
緋寄@紅鬼姫(プロフ) - サシャさん» 見ためヤンキーw3人でたまってたら寄りつき難いでしょうねw (2016年7月27日 21時) (レス) id: 1715c75c22 (このIDを非表示/違反報告)
サシャ - ありがとうございます!この3人は見た目だけヤンキー(笑) (2016年7月19日 0時) (レス) id: d7042e5317 (このIDを非表示/違反報告)
緋寄@紅鬼姫(プロフ) - サシャさん» 「物語」か「後夜祭」でほのぼのはやります!後夜祭では都道府県たちの演劇と模擬店などの様子をやるのでおそらくその時にしますね! (2016年7月17日 20時) (レス) id: 1715c75c22 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:紅鬼姫 | 作者ホームページ:https://twitter.com/Enphnium  
作成日時:2016年4月30日 21時

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