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可愛い ページ12

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部屋を出て自販機の前まで走る。

まだうっすらと目尻に残っていた涙を雑に拭って息をつく。


「はぁ………」


自販機に小銭を入れようとポーチを取り出そうとすると、誰かが近づいてきてから、私の肩をとんとんっ、と叩く。

驚いて身構えるように後ろを振り向けば、私の反応に焦りながら両手を上げて、ツナ、と呟いた友人。


「と、棘…」
「ツナマヨ、明太子?」


ホッと息をつけば、不思議そうに首を傾げる棘。

最近になって、その可愛らしい態度と動作に耐えられるようになってきたのだけど……いや、可愛い。


「えっ…と、稽古?してて、」
「、高菜?」
「わ、うん、大丈夫だよ」


緩みを抑えきれない頬を手で支えながらそう言えば、怪我はしていないかと心配した棘が顔を覗き込んでくる。

あー。

可愛い顔してんなぁ…。


ため息が出るほどのその顔に耐えきれなくなって、乱暴に彼の頭を撫でれば、つ、ツナツナ!なんてワタワタしながら頭を撫でている手を掴む。


「おかか!」
「んっふふ、ごめんね」
「…おかか……!」
「ご、ごめんって、棘が可愛くてつい…」


えへえへ、と笑いながら謝れば、頬を赤くした棘が掴んだ手を強く握ってくる。

男の子の力では流石の棘でも地味に痛くて、慌てて理由も交えて謝れば、赤くなった顔を前髪と襟元で隠して、渋々許してくれる棘。


あ〜、可愛いねぇ…。

棘の可愛さにホッコリしながら、自販機に小銭を入れてスポーツドリンクを落とす。


「こんぶ、明太子」
「うーん、このあとも少し1人で練習したいから…明日は行くね」
「…しゃけ、」


スポドリに口をつけると、今日の特訓に来ないかと誘われる。

しかし、うーん。五条先生に頼まれた悠仁の特訓を、しなければ。

どうせあの先生だから、交流会には出すつもりだろう。

寂しそうに頷いた棘の頭をぽんと撫でて、またあとでね、と微笑む。


「しゃけ、!」


嬉しそうに笑ったその顔にキュンっとしながら、再び悠仁のいる地下室へと足を運んだ。


………

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伊地知さんの苦労が目に見える


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- 更新待ってます...! (2020年11月7日 11時) (レス) id: 8ab799c49a (このIDを非表示/違反報告)
ささまめ。(プロフ) - 豆腐さん» あ!ありがとうございます!!すぐに訂正しますね!!! (2019年11月8日 19時) (レス) id: 953be4ace3 (このIDを非表示/違反報告)
豆腐(プロフ) - 優太ではなく憂太ですよ (2019年11月1日 11時) (レス) id: df35f93799 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:ささまめ。 | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/u.php/hp/sakuhi/  
作成日時:2019年7月25日 18時

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