1 ページ2
gr「我が軍に新たな幹部を迎え入れる。」
そう告げられ、他の幹部は驚きに目を丸くする。やれやれ、と呆れるものもいれば、爛々としているもの、怒りを覚えているものもいる。
それに動じず、堂々とした姿で扉を開き、ズカズカと入ってくる。緊迫した雰囲気をものともせず、自己紹介を始めたそいつは女だった。
kn「なんや、女やんけ。」
そう呟いた言葉を耳聡く聞いた彼女はいった。
「人を見た目で判断すんな。俺は女じゃねぇ。男や。」
幹部全員が首を傾げる。
じゃあ男なのか？いや、そうでは無い。体型が完全に女だから。
ut「女の子やろ？だって、胸だってあるし…」
「だから見た目で判断すんなって。心が男なんや。」
幹部全員が驚いた。今まで心と体の性別の不一致感じてるやつなんて一般兵にも居なかったからだ。
賢い彼は続ける。
「体を男にしなくても、別にええ。そんな金はないからな。けど、せめて心だけでも男でおりたい。」
そこに辛辣な言葉がかけられる。
sha「いくら心が男でも、グルッペンのことを守れなどうにも出来ひんで。」
gr「俺がそこを考えていないとでも？」
「…一戦、してみっか？」
sha「おう、望むとこや。」
｢じゃ、よろしく頼みますわ。」
sha「手加減無しやで。」
「勿論、全力でこい。」
同時に動き出した。スピードに差は無い。寧ろAの方が若干速い。
シャオロンが先に攻撃を仕掛ける。Aはそれをひらりと躱し、攻撃した後に残っていたシャオロンの手を掴み、肩や腰など、体全身を使ってシャオロンを投げる。
一瞬、シャオロンが体制を崩した瞬間に距離を詰め、首にナイフを当てる。
sha「…ま、け…や……」
「ありがとうございました。」
驚いているシャオロン、息ひとつもらしていないA。
どうやら彼はなかなか手強いようだ。
「たかが女の身体やってなめとんけ？あ？
…次、またやるんやったらもっと本気でこいや。」
去っていく彼の背中
様々な幹部の意見
その中で、グルッペンだけが笑っていた。
(やっぱり、面白いやつだ)
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 4人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
