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第65話 ページ21

どのくらい考えを巡らせていただろうか。



「はいるよー…」


二人分のお茶と和菓子を持ったAが戻ってきた。


「おー…」


「そーちゃん、」



「一個食っていいぞ」


「じゃなくて、」


「あ……?」


「悩み事なら…相談のるよ」


「は…何で、」

隣に来たAが俺の眉間に指先で触れる。


「わかるよ……兄妹だもん」


(あぁ…そうか、)


「そーちゃんが、あたしと仲直りしようとしてくれてたのも知ってるよ。」


(いつもは俺が素直に言えなくても、Aが気付いてくれるから。だけど、)


「これ、あたしの好きなお店のお菓子だもん。ここのお団子、並ばないと買えないやつだし。」


(だけど、この気持ちにだけは――、蓋をしよう。)


「敵わねェな…」


小さく首をふって苦笑をすると、沖田はAの身体を前から包み込み、ふうと息をつく。




「A、覚えてるか?昔は良くこうしてた…。」


キスでも体を繋げるでもないのに、お互いの体温はとても近く感じられ、冷えた身体と心を温めていく様だ。



「覚えてる…でも昔…だよ…」


Aが声を詰まらせ、小さな体が震える。


「そんで、お前が泣くのはいつも姉上か俺の前だけだったな。」


お互いこらえ切れず涙が溢れる。


「っ…そーちゃ…も…」


頬を伝う涙がお互いの服をぬらしていく。


「ああ、俺が泣くのも姉上とお前の前だけだったな。…ほら、昔と全然変わんねえや。」


そう言って笑うと沖田はAの髪の毛を優しく撫でた。




そして―




「お前は、俺の大事な妹だ。」



こんな簡単なたった一言



Aの頭がかすかに上下に動いたのを感じた

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あつぽん(プロフ) - アルハさん» ありがとうございます!!!私としてもすごく思い入れのあるこの作品についてそういうコメントいただけるのはすごくうれしいです!これからもよろしくお願いしますね(*^_^*) (2016年12月7日 11時) (レス) id: 3134e8bca3 (このIDを非表示/違反報告)
アルハ(プロフ) - 1から読みました!話に引き込まれていって凄く面白かったです!!最高!!! (2016年12月3日 14時) (レス) id: 5e4beefb64 (このIDを非表示/違反報告)
あつぽん(プロフ) - みゅうさん» ありがとうございます!そんな風に言っていただけるなんて本当に嬉しいです。励みになります!これからも頑張りますので、どうぞ応援よろしくお願いいたします (2016年8月25日 15時) (レス) id: 3134e8bca3 (このIDを非表示/違反報告)
みゅう(プロフ) - あつぽんさんの作品は全て読ませてもらっています!どれも面白くて大好きですっ!これからも頑張って下さいq(^-^q)応援しています(*´ω`*) (2016年8月2日 19時) (レス) id: ad4e56f403 (このIDを非表示/違反報告)
あつぽん(プロフ) - 月夜さん» おおおお!総悟&神威好きに出会えるとは!!わたしも大好きなので、喜びのあまりにやにやがとまりません(笑)実は私の作品、神威が活躍するの多いんですよ(笑)これからも楽しんでいただけると嬉しいです♪ (2016年7月4日 21時) (レス) id: 3134e8bca3 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:あつぽん | 作成日時:2016年2月6日 10時

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