第5話 ページ7
「今日も疲れた…」
今日の討ち入りは、大きな山場だった。
ここ数ヵ月、休日返上で働いていたが、明日は久しぶりにゆっくりできそうだ。
報告書に目を通していた時、
「土方さん、Aです。」
襖の向こうから、Aの澄んだ声色が響く。
「一番隊の報告書できました。」
「あァ、Aか。入ってこい。」
俺は、襖の向こうで立っているであろうAに向かって、優しい声色で話しかけた。
スッ、と開く襖。
報告書を持って入ってきた彼女は、風呂から上がったばかりなのか、少し髪が湿っている。
「はい、報告書」
先程のことについてもう怒る気配のない俺の様子にホッとしたのか、彼女の緊張が解かれ、花のような笑顔を見せた。
「今回も大活躍だったでしょ？」
「あァ。毎度ながら、お前らには助けられてるよ。これでちゃんと指示を守ってくれれりゃいいんだがな？」
「あはは、ごめんなさい。そーちゃんなんて直ぐにバズーカー打つもんね。」
「本当にどうにかなんねェかなァ…屯所は壊すし、報告書は全部Aに押し付けるし、」
しばらくたわいのない話をしていたが、沈黙が訪れる。
「じゃあ、部屋に戻るね」
「ちょっと待て」
土方が部屋を出て行こうとするAの腕を掴むと、驚いた顔で振り向く。
「どしたの？」
「今から、」
低い声で話しながら、
「総悟ンとこに行くのか…？」
握る手に自然と力がこもる。
「ちょ、…痛い、よ」
土方は部屋を出て行こうとするAの背を、壁に押し付けた。
「どうなんだよ？」
土方の鋭い視線にAはスッと視線を逸らして小さく頷いた。
「もうやめとけって、この前も言ったよな？」
「やっぱり、まだ怒ってる？」
「違ェよ、お前らは行為の意味を理解してねェんだよ！」
「大丈夫だよ、ちゃんと避妊してるし。」
「そういう問題じゃねェ…ッ、お前らは、」
土方が声を荒げた時、
「副長、今よろしいでしょうか」
外から隊士の声が響く。そして、
「それじゃあ…おやすみなさい。」
Aは力の緩んだ手をやんわりと退けて、困った風に笑うと部屋から出ていったのだった。
その後は隊士の話もろくに耳にも入らず、気がつけば机の上には数枚の報告書が。
Aの綺麗な字で書かれた報告書に目をしながら、大きなため息をついた。
一番隊 報告書 *月*日
隊長 沖田総悟
副隊長 沖田A
若くして真選組の斬り込み隊長を務める二人。彼らは、兄妹なのだ。
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あつぽん(プロフ) - 白雪さん» ありがとうございます！そんな風に言っていただけるなんて本当に嬉しいです。励みになります！これからも頑張りますので、どうぞ応援よろしくお願いいたします (2016年8月25日 15時) (
レス) id: 3134e8bca3 (このIDを非表示/違反報告)
白雪 - これ面白すぎです (2016年8月23日 20時) (レス) id: 7a9606292a (このIDを非表示/違反報告)
あつぽん(プロフ) - 蒼月さん» ありがとうございます！コメント、本当に嬉しいです。これからも頑張りますので、どうぞ応援よろしくお願いいたします！ (2016年7月4日 21時) (レス) id: 3134e8bca3 (このIDを非表示/違反報告)
蒼月(プロフ) - 続き楽しみです！更新頑張って下さい♪ (2016年2月5日 17時) (レス) id: 5defdd12f1 (このIDを非表示/違反報告)
あつぽん(プロフ) - 高杉銀時さん» コメントありがとうございます！楽しみにしていると言っていただけると、すごくテンション上がっちゃいますよー(*^O^*)これからも頑張りますので、どうぞ応援よろしくお願いいたします ！ (2016年1月12日 19時) (レス) id: df8f2d9e4c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：あつぽん | 作成日時：2016年1月4日 14時
